覚えがないのに、血糖値が急上昇!!その理由とは
癌、とは言っても肺がん、大腸がん、舌がん、胃がんなど、いろいろな種類がありますが、あなたはどの癌種が一番恐ろしいものだと認識していますか?
がんの専門家が口を揃えて言うのは、膵臓がんです。
がんの中で一番恐れられるすい臓がん。その理由とは…
早期発見がほぼ不可能。5年後にはすい臓がん患者の95%が亡くなってしまうとされています。
通常の検診では、すい臓がんは早期発見できないと言ってしまってもいいでしょう。その理由はすい臓の位置にあります。一般的におこなわれている超音波検査で、体内の臓器の様子を診断しようとしても、すい臓は胃と大腸の後ろに隠れる位置にあるので、目視することが非常に難しいのです。
キーポイントは早期発見ができるかどうか
がんの中で一番恐ろしい、早期発見が難しいと言われているすい臓がんですが、今ではすい臓がんを早期発見する方法が編み出されてきています。この記事では、その早期発見方法の一つをご紹介します。
すい臓がんの早期発見のキーワード「糖尿病」
すい臓がんの早期発見に、なぜ糖尿病が関係あるのか?その理由はがんの特性にありました。
まずはがんのない通常時のすい臓の働きを見てみましょう。
通常時
- 口から食事をとる
- 血管内の血糖値が上がる
- 上がった血糖値を下げるため、すい臓がインスリンを放出する
- 血糖値が下がる
続いて、初期を含めたすい臓がんがあった場合のすい臓の働きです。
初期を含めたすい臓がんがある場合
- 口から食事をとる
- 血管内の血糖値が上がる
- 上がった血糖値を下げるため、すい臓がインスリンを放出しようとする
- が、癌は大量の酸素を取り込む特性がある。これにより、癌に大量の酸素を奪われる形となった「β細胞(インスリンを放出する)」がダメージを受けた結果、うまくインスリンを放出しにくくなる
- 糖尿病を発症する!
通常であれば、インスリンを放出してくれるβ細胞が、酸素を大量に奪う特性のある癌の影響を受けて、働くことが困難になってしまうわけですね。
つまり、血糖値が急上昇し始めたらすい臓がんを疑え!ということ
実際、普段から血糖値のチェックをしていた高齢の女性が、急上昇していることに気づき、すい臓がんを早期発見できたという例があります。あれから5年以上が経った今、その女性は元気です。
癌と血糖値には、意外な接点があったわけですね。
すい臓がんになった85%の方が、がん発覚の数年前に血糖値が急上昇していたという報告もあります(アメリカ研究,2013)
- 食べ過ぎ・飲み過ぎの覚えがない
- 生活習慣や環境を特に変えていない
- 身内に糖尿病の方がいない
これらの背景がありながら、血糖値が急上昇するのはおかしいです。上昇していた場合は一度質のいい診断をしてくれる医師の元を訪れましょう。
血糖値は検尿や血液検査でもわかります。より正確に知りたい方は、ヘモグロビンAワンシー(HbA1C)を必ずチェックしておきましょう。
血糖値は測定するだけではなく、前回の検査結果と比べることが大事です。
これは糖尿病の方だけでなく、健康な方でも同じことなので、普段から定期的に血糖値を測定し、比較していくことが、すい臓のがん検診だと言えるでしょう。