週刊柏﨑 第269回 私の景気改善案
週末から京都は寒い寒い、まさに冷蔵庫状態であります。先日の夕方、銭湯に向かうきつね坂の温度はなんと-1℃、12月としては多分初めてではないかと。そのくらい寒くなっています。それで、今週早々東京に来てみると、一体、京都の寒さは何なのかと。それぐらいの温度差であります。今年は新型インフルエンザの流行という話もありくれぐれもお体ご自愛ください。皆様お元気でお過ごしでしょうか?
先週に引き続き、日本は全ての面で混迷を極めています。麻生総理の支持率は全ての新聞社の調査で20%前半となり、不支持率は60%を超えています。まあ私としては今尚20%以上の方々が麻生さんを支持しているということに少々驚きますが、それ位、将来の日本に対し、希望が持てない状態なのです。ただし、前よりも改善している点もあります。それは石油などの物の値段が下がっていることであり、以前にこれはヤバイと言っていた物価高での不況、いわゆるスタグフレーションの恐れは無くなったと思います。しかしながら、再びデフレの時代に逆戻りになりそうで、それはそれで問題でもある訳です。
さて、アメリカのサブプライムなどの金融問題に端を発する世界同時不況、この状態を何とか脱却しようと世界各国は大きな政策転換をしています。その中での麻生内閣の経済政策は、目を覆いたくなる様なものであり、それが国民からの不信任に繋がっているのです。例えば1人当たり12,000円と20,000円の2コースで総額2兆円という定額給付金でありますが、はっきり言えばやらんよりましというだけで、数年先の消費税アップとセットであるならば、いらないというのが国民の答えであると思います。そこで、2兆円あるならばもっと有効な使い道がある訳で、私のプランをここに提案したいと思います。
日本は昔から、不況には公共投資という、ケインズ先生がおっしゃった近代経営学を、忠実に繰り返してきました。それが道路であるとかダムであるとかの、利用者やその地元の声を無視した利権だけのものになってしまったのです。また、今迄のパターンなら、その公共工事をしている間に世界や日本も景気が良くなり、それでなんとかなってきたのが歴史であったのです。しかしながら、今回の不況というのは、そんな幕間繋ぎの方法では用を成さないというか、そんな簡単なことでは多分日本はもたないと思うのです。よって、今迄の日本のシステムを根本から考えなくてはならないのです。
今迄の日本のシステムというのは外需だのみ。すなわち昔からいわれていた加工貿易、輸出に頼るシステムから、内需型に切り替えなくてはならないのです。私は何も輸出、つまり外国に物を売るのを止めろという訳ではありません。トヨタやキャノンのような高い戦略を持った企業はそのままの業態を続ければいいし、為替が1ドル=50円になってもそういう企業は立派にやっていけると思います。
しかしながら、派遣社員とかアルバイトや失業者などの労働力を、こういった大企業にゆだねるのを止めようというのです。先週述べましたが、今の法律では彼らはどこまでいっても大企業の生産の調整弁になってしまうからです。
そこで、私が提案したいのは、農業、漁業、畜産業という食品ビジネスをこれらの受け皿にする事です。日本の食料の自給率は皆さんご存知の通り39%であります。要は、あと61%について日本は食料を供給する枠がある訳です。国や県が公営の農場や牧場を作って、そこで求職者を雇用し、宿舎を建設し、生活の場のセーフティネットとして構築するのです。幸い、食の安全性ということで、全ての食料品は国産指向に向かっていて、あとは値段面で割安感が出れば需要は確実に大きいと思います。国や県をあげてこういった取り組みや商品を宣伝すれば、その効果は大きいし、採算がとれれば余剰の公務員の受け皿にもなります。従来の農業や畜産業の方にダメージがない様に、社員が軽トラで直売するとか、公共スペースで新たな店舗を作るとか、販売面に関するアイデアはいくらでもあります。
自分達でビジネスを作り、運営するような試みが必要だと思います。