週刊柏﨑 第335回_健康情報番組の必要性
今週に入り「やけに寒いな」と家から出てみると、比叡山は真っ白であります。
桜が咲いて、週末は子供の入学式だったというのにとんでもない気候だ。
と、思っていたら、午前中にはこの冬一番という雪まで降ってきて、京都北部はアット言う間に白銀の世界です。
まぁ、夕方には雪は大方溶けてしまったのですが、気温は0℃近くです。
皆様、お元気でお過ごしでしょうか?
4月3日、4日はQVCの9thバースデーイベントです。
会場の幕張メッセで、皆様にお目にかかれることを楽しみにしております。
週刊誌やTVの情報番組などで、盛んに3月危機とか煽っていた訳ですが、株価は1年5カ月ぶりに1万1千円を回復しているし、失業率や貿易収支などの経済指標も改善しているのです。こういったいい加減なことを、したり顔で解説しちゃう経済評論家とか、記者さんというのは、本当に楽な商売というか、本当に無責任であると思うのです。
先週のこのコラムで触れた、テレビの健康食品CMで、愛用者のコメントの片隅に、「個人の感想・意見です。」という表示。いっそ、こういう記者や評論家の方々の解説や評論にも使った方がいいのではないかと思います。
少なくとも健康食品に関しては、愛用者のコメントで商品を購入される方への、責任逃れとしてこういう表示をするわけです。だったら、有名評論家や週刊誌の意見で、株や不動産を売ったり買ったりする人への責任逃れもしておいた方がいいのではないかと思ってしまうのです。これで今迄の予想をコロっと変えて、日本復活などとのたまわれたりしたのでは、ギャンブル場の予想屋さんと全く同じであると言わざるを得ません。
かといって、この経済回復は鳩山政権が何かをした訳ではないので、基本的には世界経済の底力ということなのでしょう。今週決まった公立高校無償化とか、こども手当はどういう影響を及ぼすのでしょうか?
さて、先週のこのコラムで、健康食品業界は有名人を使ったCMや、「ほんまかいな?」という愛用者のコメントで不況知らずということを書きました。
しかし、その一方でドラックストアでの健康食品の売上は、多分今までで一番お寒い状況であるのです。
どうしてかというと、TVでの健康情報番組がほとんど無くなってしまったからです。「あるある大事典」や「おもいっきりテレビ」などの番組があった時は、番組内で、こんな成分を摂ると「やせる」とか「元気になる」とかいう特集をやっただけで、スーパーやドラッグストアからその手の食材やサプリメントが消えてしまう程に売れていたのです。
しかしながら、番組のデータの改ざんやデッチあげなどが発覚し、放送が無くなってしまうと同時に、売上がガクッと落ちてしまったのです。特にダイエット食品というのは、以前はQVCさんでも、ものすごく人気のある商品群だったのですが、今や見る影もないような状態であります。
私は、さすがに消費者も見る目が肥えてきたというか、ダイエットというのはカロリー制限と適度な運動を継続することでしか、成功しないということに気付いたのかと思っていました。しかしながら「楽して痩せる」「食べながら痩せる」、こんな出来るはずもない甘い言葉がふんだんに語られるTV番組は、やはり昔と変わらず強力な販売力を持っていたのです。
3月29日に日本テレビ「寿命を延ばすワザ百科」という番組で、黒豆を食べるダイエット法を取り上げました。
番組中で、お笑いトリオの安田大サーカスの中で一番太っている、ヒロさんという男性がこのダイエット法に挑戦し、1カ月間でマイナス20kgの減量に成功したのです。私も銭湯のサウナでこの番組を眺めていたのですが、このヒロさんは元相撲取りで、よくいうところの超肥満体であります。まぁ、バナナだって納豆だって、少し食生活を変えれば「20kgくらい痩せられるでしょ」という感じだったので、そんなに黒豆がいいという印象は持たなかった訳です。
しかしながら、3月30日のインターネットショッピング楽天市場の人気商品ランキングでは、男女ユーザーをあわせた総合ランキングの1~10位までが、すべて黒豆という人気ぶりです。以前の寒天や納豆、バナナと全く同じ状態で、本当に日本人のダイエットに関する関心と購買行動は全く変わっていないのです。
この番組の元になっているのは、チョン・ジュヨン氏の「毒出し黒豆ダイエット」という本であり、著者自身もこのダイエットで4ヶ月で105kgから54kgに減量したということです。ダイエット方法は、
①ふやかして蒸した黒豆を煮て、毎朝70g食べる
②夕食は軽く
③水をたくさん飲む
④夜は12時までに寝る
⑤週に3回程度、30分以上歩く
ということですが、別に黒豆じゃなくてもいいんじない?という感想です。(豆腐とか)
今日くらいから多分、スーパーやデパートの食品売り場から黒豆が消えるんだろうな・・・と思います。とにかく食べて痩せる、ということ自体が、発想としてありえないのですから。
それに、内臓脂肪肥満でない限り、ダイエットは余り必要ないと思います。それに昔、大豆などに含まれるイソフラボンの摂り過ぎは健康に悪いといっていたのは、どうなってしまったのでしょうか。
この方法で「夕食は軽く」、というこれだけで、多分ダイエットは誰でも可能であると思います。やっぱり、健康食品業界にはこういう健康情報番組は絶対必要であると実感したしたした次第であります。