週刊柏﨑 第429回_藻に見据える未来

とても寒い日が続いています。相変わらず、北海道や日本海側では大雪が続いているようで、雪対策に苦労しておられる模様であります。一方、太平洋側では天気が良く乾燥しているのですが、関東地方では今週、結構驚くような大雪が降りました。
早いもので、後一週間で1月が終わります。そこら中のコンビニで節分の恵方巻きのポスターを見かけるようになりました。
例年このコラムで書いていますが、知らないうちに結構メジャーになった、節分の恵方巻きという巻き寿司を丸かぶりするイベントでありますが、まあ、豆を撒いたり、食べたりするよりは確かに経済効果は高そうであります。今年は、北北西の方角を向いて巻き寿司を食べると良いとのことです。しかしながら、皆同じ方角を向いて、長い巻き寿司をたて笛を吹くように食べる様は外国人から見たら、さぞかし異様に映るのではないかと思います。節分が終わればすぐバレンタインデーと日本は和洋折衷、本当に節操がありませんな。多分こんな国は世界広しと言えど、日本位なのでしょう。
皆さまお元気でお過ごしでしょうか。
少し風邪気味であったのですけれど、久しぶりに週末ゆっくりしたおかげで復活しました。
私の風邪薬はクロワールファインでありました。効果抜群です。
やはりというか、ここにきてインフルンザが猛威をふるっています。全国的に学校閉鎖や学級閉鎖になる小中学校が激増しています。
高校や大学受験はこれからが本番でありますのでくれぐれも手洗いやうがいなどの予防を怠らないようにして下さい。そして外出時はマスクをするようにして下さい。クロワール茶は抵抗力のある体を作ってくれますが、それは一朝一夕で叶うものではありません。
受験生は、今はとにかく感染しないように心掛けることが大切ということです。それでもクロワール茶は飲まないよりは、飲んだほうがインフルエンザには絶対いいと思います。
さて、このところ世界的にイランの核開発に対する風当たりが強くなっています。実際ヨーロッパやアメリカは経済制裁の行動に出ていて、イランの命綱である石油輸出を止めるという動きをしています。最近日本も親分アメリカの要請を受けてイランからの原油を
輸入しない方向で調整をしています。この制裁に反発することが必至のイランは中東からの主要航路であるホルムズ海峡を封鎖するという可能性があるのです。ホルムズ海峡閉鎖は東アジア、特に日本の原油輸入に対し大きな弊害をもたらします。もし本当に閉鎖されれば、今は安定している原油価格の高騰も避けられません。ただでさえ日本は原発の稼働が落ちていて石油に頼らざるを得ませんので
もしこの先、原油価格が1バーレル200ドルとか300ドルになれば、壊滅的打撃を受けることは間違いありません。
以前このコラムでも触れました「石油を作る藻」でありますが、結構日本としても真剣に考えなければならない状況になっているのです。実は石油を作る藻というのは数多くあります。要するに問題はその生産性であって、当然商業ベースに乗らなくては話にならない訳です。今回、筑波大の先生が見つけた藻はその可能性が高いポテンシャルを持っているのです。この藻はオーランチオキトリウムといって従来の藻の10倍という石油生産能力があります。この藻を広さ1ヘクタール、深さ1メートルの培養装置で育てると、4日ごとに収穫可能で年間1000トンの石油を採る事が出来ます。このところの研究で、この藻の倍化時間を短縮することが可能になったので、4時間ごとに収穫が可能になりました。4時間ごとに全体の三分の二を収穫し同量の新培養液を継ぎ足すという連続生産システムを取り入れることによって年間10000トンを生産することが出来るのです。
現在、日本が輸入している石油量は年間約1億9千万トンであり、連続生産システムを導入すれば、2万ヘクタールで2億トンと日本の総輸入量を上回る石油を作れるのです。現在、日本の全国での耕作放棄地は40万ヘクタールと言われています。わずか5パーセントを藻のプールにするだけで日本に石油を供給することが可能なのです。それにこの藻は環境面でも優れた性質を持っています。この藻は光合成することが無く、養分を有機物から摂ります。汚水や汚泥などの生活排水で育成することが出来ますので、本当の意味での環境配慮型再生エネルギー循環システムであるのです。まさに理想的な新エネルギーでありますが、日本はいまだ数十億円の研究補助しかしていないようです。
ちなみに日本は原発に対し、毎年4300億円の予算を計上しています。ここでも既得権益ということがあるのでしょうか。まだまだ
この石油のコストは高いのだそうですが、もしこの藻による石油生産が軌道にのれば、日本だって原油生産国の仲間入りです。耕作放棄地はさながら油田に変貌するのです。日本は海外に原油代として毎年約20兆円を支払っています。この金額が国内に廻るというのですから、物凄く夢があるビジネスであります。実際IHI石川島重工が藻のビジネスに参入するということです。
昔観た映画なので題名は忘れたのですが、画期的な新エネルギーを発明した学者が既得権者である石油メジャーから命を狙われるという内容の映画でありました。確かに日本の経済界が根本から覆されるということを余儀なくされることになる可能性があります。
そのことによって、今までの既得権者は排除されるかもしれません。しかしながら、それは石炭が石油にとって代わられたように、
歴史的にやむを得ないことだと思います。今の石油はいずれ枯渇するのです。少なくとも私は現在の状況において、この藻の活用ビジネスは日本にとって最大のチャンスであるような気がします。
日本の将来を考えて消費税がどうだ、こうだというよりも、こういう日本を本当に変えるような新分野を我々は期待しています。
この藻は細胞が柔らかくて、藻の細胞に石油が溜まると、自動的に細胞膜がやぶれて油が浮いてくるのだそうです。何事も柔軟に考えて、フレキシブルに動くことが大切です。どうです、なんかワクワクする話ではないですか。

柏崎

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