週刊柏﨑 第532回_都知事選とやしきたかじん氏
さむーい、さむーい、叫んだところでどうなる訳ではありませんが、
叫ばずにはいられない位寒い日が続いています。
あれだけ暑かった夏が過ぎて、地球温暖化も進んでいるんだなと納得していたのですが、地球規模でのこの寒さと豪雪を見ると、「どこが、温暖化やねん」と突っ込みを入れたくなりなります。ニュースを観ると、北海道や東北では雪がかなり積もっているようで、除雪などの雪対策が大変な模様であります。寒いですが、京都では雪は殆ど降ってないので、それだけは有難いですね。
今年に入り、既にQVCさんのオンエアーは3回あったのですが、うれしいことに、前回のスーパークロワールアイネオのオンエアーで在庫は全てソールドアウトとなりました。皆さんには厚くお礼申し上げます。今後も、よりよい体感の優れた商品づくりをしていきたいと思っております。
皆さん、お変わりなくお過ごしでしょうか。
今週、東京知事選に細川元首相が立候補しました。小泉元首相とともに会見した細川氏はこの都知事選で脱原発を争点にする旨の発言をしました。それに対し様々な方面から脱原発を東京都の政策として推し進めるのは如何なものかという批判が起きているのです。確かに、東京都に原発は無い訳で、本来であれば老朽化した首都高などのインフラの整備やオリンピックなどが都知事選のテーマであるべきであります。しかしながら、私個人としては、細川氏と小泉氏を支持したいと考えています。今や巨大与党となった自民、公明に対する対立軸がなく、特定秘密保護法案や増税などまさに与党がやり放題であるという現実に危機感を感じているからです。本来なら野党一党の民主党はつい最近まで与党が推す候補に相乗りしようとしていて、細川氏が立候補しそうと見るや急遽細川氏支援に方向転換するという節操のなさ、最早、与党に対抗できる勢力とは思えません。確かに、都知事の立場で脱原発に関し出来ることなど知れていますし、それを選挙の争点にするのは妙な感じがしますが、この都知事選を足掛かりに与党の暴走にブレーキをかける新しい勢力が出来ることは本当に良いことであります。
来週にも結果が出る沖縄の名護市長選も同様、安全、安心を無視し金で横面を叩く様に、国民に同意を強制する与党のやり方にはうんざりであります。対立軸が出来ることによって、色々な決め事がもっと慎重になること、国民の関心が高まることは間違いありません。
去年末の安倍首相の靖国参拝もしかり、与党として圧倒的な支持を得ているということからの自信から行動したとしか思えません。私も個人的には戦争で尊い命を落とした戦没者を敬うことは当然だと思いますし、例え戦犯が合祀されていても、靖国に参拝することがいけないこととは思いません。しかしながらそれはあくまで私人としてであって、国の最高責任者である首相が、今の様々な状況を考慮なく参拝することには賛成出来ません。この参拝によって外交的には問題しか残らないし、中国や韓国とビジネスを進めている人たちには迷惑しかかけていないのですよ。首相はあくまで国民の為に行動するべきであり、自らのイデオロギーを貫くために国民を犠牲にしていいとはいえないのです。安倍首相としては、靖国の方角を向いて、手を合わせることで彼の気持ちを収めるべきであったと思うのですが。あくまで、私個人の考えであります。
さて、先週、やしきたかじん氏が亡くなりました。
享年64歳、早すぎる死であります。食道がんが転移してと、去年亡くなった中村勘三郎氏と同じ病気であります。お二人ともガンが発見された時は初期であり、ステージ1であって手術により治る筈であったのです。時期は忘れてしまいましたが、なかにし礼氏が同じ食道ガンであって、ステージ4でリンパ節に転移とかなり危険な状態であったにも拘わらず、なかにし氏は今も元気で活動しています。どこが違うのでしょうか。慶應大学病院の近藤先生の説によりますと、ガンには本物のガンとがんもどきという細胞的には同じ悪性のガンでありながら命を脅かさないガンがあるといいます。ですからその説によりますと、たかじん氏や勘三郎氏は本物のガンであり、なかにし氏はがんもどきであったという事なのです。ガンに関しては色々な説があるようでありますが、今も昔も恐ろしい病気でありますな。これも個人的でありますが、今のところ近藤先生の理論を私は信用しています。このところの、近藤先生のガンの本の出版ラッシュは少々商業ベースに走っているかと思いますが。
まあ、たかじん氏は関西に於いてはカリスマでありまして、関西以外ではまず信じられない程であります。関西圏ではたかじん氏の名前を冠にした番組が数多くありまして、そのどれもが高視聴率と、関西のテレビ業界にとっては痛手であるでしょうな。今週に入っても、「たかじんの何をいつまでもメソメソしてるんや、」とか「笑ってたかじんを送ろうや」なんていう関東では信じられないような追悼番組が各局で放映されています。またたかじん氏の冠番組もこのままたかじん氏の名前を残すらしく彼の人気の高さを物語っているのです。彼の人気の理由、それは常に本音をいうことであります。これは関西、特に大阪では顕著でありまして、橋下市長が大阪で絶大な人気があったということと同じ理由であります。言いたいことを言う、本音を言って隠し事を嫌う、大阪を誇りに思って大阪をこよなく愛する、これが大阪人の気質であって、たかじん氏は正にそれを絵にかいたような人であった訳であります。
石原慎太郎氏などもズバッと本音を言うような印象がありますが、たかじん氏は石原氏のような上から目線の偉そうなそぶりはありません。あくまで、安い飲み屋で酔っ払い相手に文句を言うという感じでしょうか。たかじん氏の場合、豪放磊落であるように見えて実は細やかな気配りが出来て、優しいそんな一面も大阪人のハートを鷲掴みであったのでしょう。本音をいう人間につきものであるのが、失言でありまして、この失言によって今まで多くの人気者や政治家がその地位を追われているのですけれど、大阪にはそういう事に寛大というか「まあ、しゃーない」という許容する文化があります。たかじん氏も例外なく失言がかなりあったのですが、この「しゃーない」で事なきを得てきたのです。ですから、多分全国区ではたかじん氏はメジャーになることは無かったのですね。橋下氏が女性問題になった時も、大きな失言があった時も、全国では叩かれましたが、大阪では「一生懸命やってるから、しゃーない」で許された経緯があります。これは、全国的には人気が無い豊臣秀吉を判官びいきで称える大阪人気質の映画、「プリンセス・トヨトミ」で分かるように、営々と大阪人スピリッツに引き継がれているのです。
やしきたかじん氏は大阪のシンボリテックの人間であり、
大阪では彼の死はただ単に売れっ子芸能人の死
という一言では終わらないのです。
合掌