週刊柏﨑 第730回 改ざんしても真実は変えれませんね

森友学園と財務省のとの間に交わされた小学校用地用の国有地払い下げ問題を巡り安倍内閣が窮地に立たされています。

私は、安倍内閣がヤバくなるのは、森友学園問題よりあの安倍友である加計学園問題だと思っていましたので、チョット意外です。

今回、大きな問題となっているのは、森友学園と近畿財務局の間で交渉された用地の土地売買内容が記載された財務省理財局の決裁文書が改ざんされていたという公文書の偽造であります。

要は、元々経緯が書かれていた文書の内容を途中でこのままではまずいと考えた誰かが、削除したり変えたりしたということです。

当然、私が作成した報告書みたいなものとは違い、お役所が作成した公文書を改ざんするなんて絶対にあってはならないことであります。

じゃあ、どこをどのように変えてしまったのかということですが、この問題に触れる前に、今の安倍政権の持つ特殊性を考えるべきであると思います。

今の安倍政権と言うのは以前に一回失敗していて安倍首相自身が政権を放り投げた経緯がある訳です。

まあ、安倍さんの前の小泉純一郎氏がしてきた政権運営が最早行き詰まっていたという不運もあったと思いますが、安倍さんの未熟さということもあったと思います。

その政権放りだしということが安倍さんの大きなトラウマになっていたというのは勿論で、その為に一回目の失敗を2度と繰り返さないようにしたのが、現安倍政権のスタンスです。

その一つが、徹底したメディア対策であります。ですから政権に批判的なメディアや人物に対して露骨とも言っていいほどの嫌がらせや邪魔をしました。

そしてネットの力というのをしっかり利用したというのも以前にはない取り組みでありまして、ネットで世論誘導を行う専門部隊を作り四六時中政権に有利な情報を発信したり、不利な情報を削除したりしたのです。

その結果、本来公平中立であるべき新聞やテレビの主要メディアの一部がカルト化するという、考えられないようなことが起こったのです。

あの加計学園問題で具体的な証言や証拠を告発した前文科省次官の私人としてのプライバシーを官邸が大新聞にリークし、大新聞は大新聞でその新聞の一面でその人のプライバシーを書きたてて人格攻撃するという、考えられないようなことが起きたのです。

それ自体が異常と言ってもいいと思いますが、政権は御用解説者や評論家を盛んにメディアに登場させ、その正当性を訴えると言うことまでしたのです。世の中には十人十色、色々な人がいます。

一人一人がその人なりの思想や夢や理想を持っています。

当然、政治的スタンスも違います。

だから今の政権を良しとするのも理解出来ます。けれども、変わりがいないとか、興味が無いとか、誰がなっても一緒というのは皆さんには止めて頂きたい。

安倍さんは、国民の選択を受けて政権運営しているというのも事実であるのですから。メディア対策の対策する相手というのは、私達国民であることを忘れてはいけませんな。

二つ目は、官僚を統治することです。これは民主党内閣が官僚のサボタージュで立ち行かなくなったということに起因していると考えています。

安倍政権が執ったのが内閣人事院の設立です。高級官僚いわゆるキャリアにとって人事というのは一生の生活を左右するものです。

その人事を官邸が手に入れたのがこの人事院を造ることであったのです。人事を握られることによって、官僚は官邸に逆らう事が出来なくなり、顔色を窺うことになりました。

そうなれば、日本は民主主義国家であり三権分立だなんて言ったところで、検察だって警察だって、とどのつまりは公務員であります。

この官僚の人事を握ることで官邸は官僚機構をコントロールし意のままに動かす力を手に入れました。

三つ目は、徹底的な対米追従政策を執ることによってアメリカからの信認を得るということです。

「戦後レジームからの脱却」と言いながら、それはアメリカの要望通りに国の形を変えていく、そのことにより、ケツ持ちのアメリカ様から日本を統治することを許可して頂くということであります。

安保だ集団的自衛権だと、国民の考えを聞くことなく、しかも憲法まで拡大解釈して自分の理想や価値観を国民に押し付けることを私は恐れますね。

国家である以上、国民に多様な価値観があるのは当たり前であり、基本的に今の憲法などが絶対的に正しいとは思いません。

しかし、日本は民主国家としてやるべき手続きがあります。時代の変化によって過去の決まりが合わなくなるなら、国民全員が納得する正しい手続きをして変えれば良いのです。

それをパスして国会議員の数だけでこんな大切なことを変えようとするのはいかがなものかと言う事です。

こういった安倍政権が備えた特殊性というのは、過去の失敗からの学習効果から生み出されたシステムであり、今迄、安倍一強という世の中を作り出しました。

わたしは、それはそれで凄いなと素直に思います。 では、これだけのパワーを手に入れて、恐いものが無い安倍官邸が何故に今回のような目にあったかというと、それはもう驕りとしか言えないです。

まあ、原因は色々あると思いますが、お天とう様は見ているよということなのでしょうな。

ただ、何回も言いますが、そんな政権を選んだのは国民であるということです。

だから、いくら文句があったって甘受しなければならないし、その責任があるということだと思います。

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