週刊柏﨑 第318回_事業仕分けと日本の未来

寒いです。たぶん知らない人が朝の犬の散歩時の私を見たら、「こいつ、なんちゅー格好をしているんだ」と思われるのではないでしょうか。はっきり言って富士山のてっぺんに行ってもおかしくないほどの防寒対策をしています。ウチの愛犬はいつもここで書いている通り、本当に根性無しではありますが、このごろの寒い早朝に裸で外に出るのは大したものだと感心しています。ただし家に帰ると、ストーブの前に陣取り、触ると思わず「アチッ」という程、皮膚が高温になっています。人になったらきっと私といい勝負のナマケ者、我が家のダメ犬「ハク」であります。皆様お元気でお過ごしでしょうか。
このところのテレビの地上波って余りおもしろくないというかほとんど見ない訳です。ニュース番組とかワイドショーの類は、チャンネルやMCが違うだけでどこも同じ番組内容を放送していて、ネットや新聞で見ればもう十分であるし、ゴールデンタイムはお笑いバラエティーかクイズ番組で見る気もしないし、夜のドラマは毎週見るわけではないので、てんで内容が解らないのです。そこで家に居るときは衛星放送のスポーツチャンネルを観ているのですが、このところ録画までしてハマってしまった番組があります。なにかというと民主党の行政刷新会議が主導して、民主党の国会議員と国民から有識者を選んで国の予算を見直す「事業仕分け」の放送であります。予算を請求する各省の官僚がこれら委員に対して、その正当性を主張するのですが、見直し側の委員の対応がTVドラマを見るより面白いし、思わず見入ってしまうのです。まあ見直しという話であるのですから、ハナから予算を縮小したり事業自体を廃止という方向に持っていっているのですが、今迄ぬるま湯に漬かっていた官僚や独立行政法人にはたまったものではないと思います。それにしてもあの某女性参院議員、恐ろしい人ですね。思わずウチの嫁とダブってしまいました。
この見直し委員会、おおむね国民には好評のようであります。このご時勢に何もしていない天下り官僚にもの凄い高額な給料を払っていたりしている訳ですから、そりゃ国民目線で考えたらそんなものがまかり通っていいことではありませんから。しかしながら私は、この予算の縮小とか廃棄ありきというスタンスに対して危惧してしまうのです。例えば今回の仕分け会議でスーパーコンピューターの開発予算が「スパコン、世界一になる必要があるのか」ということで縮小されました。政府の補助金とかを一回ももらったことがない大多数の国民からみれば、自分達の税金で楽に生活している何もしない公務員でさえ許せないのに、これだけの巨額予算でスーパーコンピューターやロケットなんか必要ないと怒るのも当然であろうと思うのです。
しかしながら私はコストさえ合えば世界一のスパコンを作って欲しいと思います。宇宙開発にしても将来の人類の未来のために必要であると考えています。要はこういった計画に費やされる予算がはっきり言って不明瞭であるのです。前にも述べましたが、予算というのは私達の税金であり、金額も何十億、何百億という巨額なものであります。それがどういう風に使われているか詳細に説明できていなければ、私たちはその使い道は天下りの給料であるとか政治家、官僚、業者の利権になっていると考えてしまうのです。
世界の医療を変えるといわれ、京都大学ではじめて研究されたIPS細胞でさえ、国内の予算は微々たるもので、今やアメリカが何百倍もの予算で日本の上を行ってしまっている例をとっても、今の「何でもダメ」というスタンスは、日本にとって金の卵を生むニワトリをみすみす取り逃がすことがあると思うのです。要は、今の国として巨額の予算をつけて研究・開発していることが将来事業化して収益を生み出すのか専門家チームを作って検証すべきことであると考えています。今やほぼゼロ金利であるのにもかかわらず金融引き締め状態というのは、今までの常識では考えられない姿であります。これだけデフレなのに金というインフレヘッジであるものが買われている。つまり、今までの経験則というものが全く通用しないのです。ただひとつだけ言えるのは、日本が持っている経済の成長に対する力が衰えていることです。ですから事業仕分けで、将来日本の経済の成長エンジンになる可能性があるビジネスの芽は絶対につんではならないのです。今は新たにビジネスを考えても銀行はあてにならないし、リーマンショックなどの金融不安でビジネスを育てるエンジェルと呼ばれる投資家も居ない訳ですから、国が将来に向けてお金を供給する一番必要な時でもあるのです。
一番必要なことは、この国の予算というものにぶら下がっているとしか思えないものは某女性議員さんにスパッと切ってもらって、前向きな企業家精神を持った人や、将来に対しリターンを見込める事業はお金を惜しまず投資すべきであると思います。私も嫁に小遣いを切られないよう頑張ります。

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