週刊柏﨑 第487回_正しい日本語

まだまだ朝方は冷え込みますが、日中に関しては、ここのところ急激に暖かくなってきています。先週あれほど硬く閉じたままの我が家の庭の梅の蕾が今週の初めごろからちらほら開き始め、今では3分咲き位でしょうか、紅い花を咲かせています。今週末は多分京都の梅の名所である北野天満宮は沢山の人出となりそうです。我が家は京都市の最北部に近い場所にあるので基本田舎であります。こういう場所は季節の変わり目は周りの風景の色合いが変わります。冬場の鉛色から淡い緑に日を追うごとに変化しているのです。あと数週間すれば桜のピンクで山中覆われるでしょう。

皆さん、お変わりなくお過ごしでしょうか。

この3月11日であの東日本大震災から2年になります。

今尚不自由な暮らしを強いられている方達や、大事な身内やご友人を失くされた方達には、あの震災は過去の出来事ではありません。私達で出来る事を忘れずに果たしていきたいと考えています。今年も例年どおり、わずかでありますが寄付をしたいと思っています。先日、震災後の津波で大被害をこうむった福島原発事故の直後の処理について協議する東京電力の本部と福島原子力発電所の現場サイドとのテレビ会議が公開されました。

当時の福島原発の吉田所長が「最悪だ」と叫んだ高線量に汚染された処理水を海に流していた件、現在はどうなっているのでしょうか。あれから2年、被害を受けた原発の炉心は今だ大量の水で冷やし続けている訳であります。どんな大きな風呂やプールも水を入れ続ければ必ず溢れだすのはあたりまえで、その水の処理はどう考えても再び海に流すしか方法はないのではないと思うのですが。確か前の野田総理が国会で福島第一原発の事故の収束宣言を出したことがありますが、とってもそんな状況とは言えません。実際今国会で生活の森議員の質問に答えた安倍総理は「福島原発の現状を収束状態と安倍内閣は考えていない。」とまで言い切っています。しかしながら翌日の新聞ヤテレビは一切その報道を報じるところは無く、安倍総理の言動もトーンダウンしてしまいました。もしも炉心が地面に崩落するようなことがあれば、我々の生活環境に重大な危機をもたらすことは間違いなく、原発問題は震災からずっとやばい状態が続いていて、少なくとも再び原発を動かすなんてことはあってはならないことであります。

作家でテレビコメンターの室井佑月さんが「原発事故や放射能処理問題は考えられないじゃなくて考えたくないだけなんじゃじゃない。」と言っていますがまさにその通りですな。本当はPM2,5どころの話では無いと思います。この前、友人のお見舞いに大学病院に行きました。この友人は放射線で食道ガン治療をしているのですが、まあ放射線の強い作用には驚くばかりであります。なんせ味覚は完全に無くなるは、口内炎はバンバンできるは、放射線をあてた部分は火傷するはで、副作用が半端でありません。なにしろあのガンを消滅させる位ですから。放射能問題はこの放射線を低線量であび続ける訳ですから、そりゃ命も縮まりますな。

さて、海外に行ったりすると、日本人の英語力のなさを実感することが多いと思います。私が4年間住んでいた香港やクロワールの茶葉の畑で視察に行ったケニアやアイネオのルティンのマリーゴールド畑があるインドなどの英語力はそれはもう日本とは比べようがありません。日本は基本、中学校、高校、大学と7年以上英語を学んでいます。この期間は決して短いことはなく、本来であれば日本人が英語を堪能に操っても不思議ではありません。

自民党が今年行われる参議院選挙の公約に「英語の公用語化」を入れるという話があるそうであります。それでなくとも、ここのところ、ユニクロや楽天などの有名企業が英語を社内の公用語とする動きがでています。なんでも、英語力を測定するTOEFLやTOEICの試験を中学や高校の必修にするなんて話もあるそうであります。しかしながら今の教育制度の中では英語を公用語並みに話したり聞いたりするのは多分無理でありましょうな。それに日本で生活する限り、英語なんか話せなくともほとんど困るようなことはありません。以前、海外で仕事をしていた頃、英語会話というのは、本当に重要なもので自分の英会話力の未熟さにいつも苛立ちを感じていました。香港では小学生ですら不自由なく英語を話しますし、幼少時からの日本の英語教育をもっと実践に則した形にしなければならないと思っていました。確かに英語は話せないより、話せた方が良い事は間違いありません。しかし、この歳になりますと、英語力をつける前にもっと必要な大切なことがあると思うのです。

それは、正しい日本語教育であります。

今日本語の本来の意味や使い方があまりにもおざなりにされているように思います。あの「いつやるんですか?今でしょう。」のフレーズで一躍有名になった予備校講師の林先生は現代国語が専門であります。林先生は日本語が大好きで、だから受験生に正しい日本語を教えたくて国語の先生になったそうであります。それに、日本人は英語を話せないから、戦後、アメリカに占領されながらアメリカの全面的なコントロールを受けなかったのではないでしょうか。そう考えると、日本人が日本語を話すというのは、日本が欧米から独立した文化を持つことであるのではないかということであります。英語が公用語になって、国民全員が英語ペラペラなんてことになったら、会社の上司や、監督省庁のトップが皆外人なんてことになりかねません。少なくともTPPが進めば冗談で無い訳であります。

日米首脳会談で安倍総理は日本のマスコミからオバマ大統領と対等に渡り合ったと大絶賛されましたが、実際は無視されたに等しい扱いだったそうです。実際、会談後の晩さん会も共同記者会見も開かれませんでした。当然、欧米の報道で安倍総理は散々に書かれていたのですが、英語が話せない日本人には真実は解りませんな。日本の報道を信じるしかないのです。国民が英語に堪能になって困るのは、実は政治家や報道ではないかということです。それに、英語力をつけるのは大変ですよ。あの流行りの通販の聞き流して上達するという英会話教材、よっぽど一生懸命やらないと話せないと思いますよ。

だって宣伝にでている石川遼君がプライベートで
「英会話?だめです。全然話せません。」と言ったそうです。

まずは、一番なじみが有り、ペラペラに話せる日本語を正しく使うことから始めましょう。「それでは正しい日本語の教育をいつから始めますか?今すぐでしょう。」ちなみに息子は林先生の予備校に通っていたのですが、ほとんど国語力が上がりませんでした。

まあ才能ですな。

柏崎

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