週刊柏﨑 第419回_プロ野球と日本

暑いのか、寒いのか、良く解らない気候であります。はっきり言えるのは、今のところは暖冬であるということです。
ただし、東北や北海道で大雪が降って、とても冷え込んでいるようで、多分これから本格的な冬がやってくるのだと思います。
このところ、街中に出るとクリスマス一色という感じであります。今年は東北大震災や天皇陛下の健康問題で浮かれている場合ではないという話でありますが、日本の経済状況を考えれば、年末の個人消費を高めるクリスマス、私は必要なイベントであると思います。
相変わらず日本はTPPの話題で持ち切りであります。私達国民は、TPP問題よりも今の景気や放射能問題をなんとかする方が先決であると思っているのです。私には、TPPで日本の景気が良くなったり、雇用が改善されるとは思えないのです。以前、小泉純一郎氏が郵政民営化すればバラ色の未来が来ると言っていましたが、現状をみて、小泉氏はどのような感想を持つのでしょうか。TPPも郵政民営化も根っこは同じ、アメリカの経済をなんとかしようというものであって、日本の為のものとは思えません。
今やメッキが剥がれた民主党政権でありますが、国民は既存の政治家では国は何も変えられないことを悟っています。その中で、自らを独裁者と言って憚らない、橋下徹氏が知事を辞して、立候補した大阪市長選が注目を集めています。私は個人的には橋下氏の政治手法は好きではありません。しかしながら今のどうしようもない政治の世界を変えるのは、彼のようなやり方しか無いのかもしれません。
ただし、選んでしまえば、何をしでかすか解りませんから、まさに毒をもって毒を制す、すなわち、とてもリスクがある選択であるということを忘れてはなりません。それにしても、橋下氏の出自のスキャンダルが週刊誌を賑やかしていますが、余りこういう攻撃は感心しません。こんなことをしても、多分橋下氏は当選します。それは攻撃している人たちが一番解っていることだと思います。
皆さまお元気でお過ごしでしょうか。
今週新聞を見ていたら、巨人の清武氏という球団社長が読売グループのドン、渡辺会長を告発したという記事が目に飛び込んできました。なんでも「渡辺会長がオーナーや清武氏のいうことを聞かず、彼らに何の相談もなしに、大事なことを決めてしまう。これでは歴史ある巨人軍、ひいてはプロ野球を私物化するような行為で許せない。」というのですが、何を今更という感じです。
元々渡辺会長の横暴は今に始まったことではなく、私は余りに野球ファンをバカにした態度が許せなくて、読売新聞の購読を辞めた程であります。今回は私と同じ年の江川卓氏のコーチ就任でひと悶着あった模様です。まあこんな問題が表面化するのも、もとはといえば、巨人軍の成績が芳しくないということ、そしてプロ野球の人気が落ちているということが原因であると思います。
今、野球界では年間で最高のイベント、日本シリーズの真っ最中であります。
今年はソフトバンクと中日の戦いでありますが、対戦成績も拮抗して白熱した戦いを繰り広げています。そんな大事な試合だというのに、関西では福岡の試合は地上波での放映がありません。それに引き換え、女子バレーは全試合ゴールデンタイムに放映であります。もはやプロ野球はテレビ業界で、終わったコンテンツであると思います。それは、セリーグ、パリーグ共にほとんどの球団が親会社の宣伝目的で運営されているからです。その結果、阪神や巨人を除くほとんどの球団が採算をとることが出来ず、赤字運営を余儀なくされています。要するに常に親会社からの補てんが必要であるのです。これでは遠からず、プロ野球の存在が危うくなると考えられます。儲けることが出来ないのならば、損失を補てんしてくれる親会社の意向には従わざるを得ないのです。
ですから今回の巨人の告発問題は、清武氏の私憤でなされる問題ではなく、もっとプロ野球の根幹を変革する出来事にしなければなりません。全球団は本当の意味での自立を目指さなければなりません。
多分、今までの巨人の人気に頼ってきたシステムはもはや全く役にたちません。それは、放漫的に運営されてどうすればよいのか解らなくなっている日本の国そのものとダブリます。プロ野球球団には今なお、すばらしいコンテンツが沢山あります。いかに活用して利益を生み出していくか、それが本来の球団社長の仕事であるのです。今回の事件は、公務員の天下りの待遇が悪いと文句を言っているようにしか映りません。それと、日本ハムから指名を受けて入団を渋っている原監督の甥っこさんの菅野君、今の巨人はそこまでして入団するような球団とは思えないのですが。江川氏は30年以上前の巨人入団のいきさつにいまだ縛られているのです。

柏崎

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