週刊柏﨑 第282回_マチュアな視点
今週中頃からいきなり寒くなっています。例年通りこの時期は黄砂がひどくて、私の車(黒色です)は、茶色のしま模様状態であります。我社から京都北山の山々が見えるのですが、杉花粉と黄砂がミックスして、かすんで見えます。
先週に引き続き小沢一郎氏の秘書の問題がマスコミを賑わせていますが、やはり予想通りというか、自民党大物議員にも違法献金問題が飛び火して、もう政治はどこも一緒でしょという状態になっています。その中で、ある情報テレビ番組に出た田中真紀子さんの発言を聞きましたが、今更ながら彼女の会話力というか、人をひきつける能力の高さを感じました。
内容としては、彼女の実父、田中角栄氏のロッキード事件を引き合いに出して、小沢氏も角栄氏と同様、国の中枢と米国の意志による、仕組まれた捜査であるという考えでありました。その中で、ゲストの元検事、郷原信郎氏(この頃よく報道番組で見かけるようになりました)の発言は、非常に中立な発言であり説得力もありました。一番印象に残ったのが「この時期に常識的にはこの捜査はありえない」という言葉だったのですが、皆様、お元気でお過ごしでしょうか?
真紀子さんは、発言の中で、日本国民は「マチュア」な目で問題を考えなくてはならないと言っていましたが、幸い、シーラボさんの「マチュアソフト」の中で、何回もマチュア=成熟するというのを聞いていたので、理解が出来ました柏崎でございます。
さて、今回の献金問題や円天問題、更にはサブプライムローン問題であるとか、お金に関する問題は、過去・現在を問わず様々な形で大きな事件を引き起こしています。お金を得るということは、世界どの国でも生活をしていく上でとても重要なファクターであります。普通はサラリーマンであれば決められた時間、仕事をすることによって、その対価として給料を受け取ります。また、会社や商店を営んでいれば、商品やサービスをお客様に販売し、売上から商品の原価や人件費、店舗費などを引いて残ったものを利益として得るわけです。要するに、お金を得ようとしたら、いかなる場合においてもそれに対する様々な行為が必要であるのです。
その事をよく理解したうえで、お金を得ようとした場合、とても楽チンな方法があります。ひとつはお金をもらう事です。これなら何の労力もなく、原価や人件費も関係なく、お金を得ることが出来ます。しかしながら、何もしないでお金をもらう事は虫のいい話であって、親から小遣いをもらうぐらいで、人からお金をもらって生活することは無理なのです。そこで、世の中、ずる賢い輩がいて、円天であるとか、オレオレ詐欺であるとかの詐欺で人を騙しているお金を得ています。これは、お金を得ている人間は、完全に他人からお金をもらっているといえます。しかも、お金を渡している側は決してその他人にお金をあげているという意識はありません。
こう考えると、昔から現在に至るまで、建前的にはもらう側もあげる側も納得して何の見返りもなく大金のやり取りをしている企業献金っておかしいと思いませんか?私が企業側だったら、出したお金以上の利益がなけれはこんな大金を何年もあげ続けるなんて信じられないし、皆さんだって、政治家と大企業は持ちつ持たれつなのは分っているでしょう。要するに献金=ワイロであると全国民がもう感じているのです。
そして、簡単にお金を得る方法のもう一つは、お金を刷ることです。これなら好きなときに好きなだけお金を手にすることが出来ます。でもこれは完全に犯罪ですし、こんなことは不可能だと皆さんは思うでしょう。しかしこれが可能なのです。流石にお金そのものは刷れませんが、お金と同じ価値を持つもの「株券」であるとか「債券」を刷って、一般の人に売るのです。それを使ったのがホリエモンであったり、近未来通信とか一部の新興市場の株式上場や増資であり、そのケタが違っていたのがサブプライムローンだったのです。こういったお金を得る方法は簡単にお金を得られますが、本当に簡単に崩壊してしまうものなんです。
何回も申し上げますが、お金を得るということは容易な事ではありません。オレオレ詐欺や円天問題やサブプライムローンにしてもお金の出し手が余りにも安易に出していたと思うし、企業献金も国民が安易にその行為を黙認していたと思うのです。そういった意味でも真紀子さんが言っていた通り、私達にはマチュア(成熟した)な感覚がとても大切であると思います。