週刊柏﨑 第470回_やっぱりIP細胞はすごい

朝晩の犬の散歩が辛くなるほど、寒くなってきました。
日中、日差しがあるときは過ごし易い陽気ですが、一日の気温差が余りにもあるので、逆に体調を崩す人が増えているようです。地球温暖化と言われて久しいですが、別に一年中日本が暑いわけでもなく、冬はやっぱりそれなりに寒いのです。日本にはなんだかんだいっても四季と言う季節が存在し、その季節に応じた趣があります。特に京都に住んでいますと、一年を通して季節ごとに行われる様々な祭りや、行事などでその季節を感じることが多いのです。

気候的には、夏は蒸し暑く、冬は底冷えがするといった、なかなか過ごしにくい気候なのですが、やはりこれだけの観光客が訪れるのですから、京都は風情も有りますし、すばらしい場所なのでしょう。

皆さん、お元気でお過ごしでしょうか。

今週、アメリカの大統領選挙が行われ、民主党オバマ氏が共和党ロムニー氏を破って再選されました。事前の予想では、かなりの接戦であって、テレビの報道でも序盤はかなりせった様相でありました。まあ、終わってみれば、大差でオバマ氏の勝利だった訳で、当初の予定どおりの結果でありました。なんせアメリカの歴史上、大統領が再任されなかったのは、カーター大統領、パパブッシュ大統領など3人しかいないというのも事実で、現職の大統領が出馬する大統領選挙は再選されるのが当たり前なのであります。

しかしながら確かにオバマ大統領は、4年前の熱狂が嘘のように人気が後退していましたし、特に何の特徴もないロムニー氏にこれだけ詰め寄られるとは誰も考えていなかったと思います。日本にとってはオバマ氏、ロムニー氏どちらがなろうと、たいして変わりはないと思いますが、少なくとも、今の円高・デフレは続くことは間違いないし、TPPや米軍基地問題などの課題にも変化はないでしょう。ただオバマ大統領が再任された当日のニューヨークの株価は、300ドル以上暴落していることをみると、明るい未来とはいえないようであります。

日本では、またまた田中真紀子文科大臣がやらかしてくれました。

来春開校予定だった新設大学の開設をストップさせたのです。その後結局認可となったのですが、マスコミ、野党政治家、大学関係者と、もう非難ごうごうであったわけです。あくまでも私の考えでありますが、田中大臣が言っていることは、ある意味、正しいと思います。日本には現在約800校近い4年生大学があります。この数は少子高齢化の現状を考えると明らかに多いと思います。ちなみにイギリスは約100校、オーストラリアでは約40校であり、日本の10倍の人口の中国でさえ約1100校しか大学はありません。

大学が急に多くなりだしたのが、10年前の小泉構造改革の頃、規制を緩和したことがきっかけであります。

この10年で日本には新設の大学が100校近く出来ています。そして、それら新設大学の教職員、理事には多くの天下りや元国会議員の就職口となっている現状もあります。だいたい新設大学の許可を出しているのが大臣では無いというのが問題、そして許可が下りてないのに大学を作り、職員を採用し学生を募集してしまうことは今までが異常であって、田中大臣の発言も全て理解できないと思っていません。それに大学に支払われる助成金は税金などの公金であるのですから、当然申請等にはもっと透明性をもたせなければなりません。そして田中大臣が言うように、すべてとは言いませんが、それら新設の大学には、報道されているように、九九やアルファベットが言えないような学力の学生がいるらしいというのです。要するに大学を新設することが利権になっている可能性が高いという話は本当であると思わざるを得ないということです。ただし、田中大臣の言う方向性は正しいですが、やり方には問題があります。やはり、ここまで進んだ話をひっくり返すのは、良くありません。もっときちんと順番に整理して国民に訴えるべきであります。まあ、そういう能力に乏しいから、いつも最後はワルモノにされてしまうんだろうと感じた事案でした。やっぱり田中角栄氏の一人娘、お嬢様であります。自民党の人達が文句を言っていましたが、利権を守るための必死さしか感じません。

さて今回は前置きが長くなってしまいましたが、やっぱりIPS細胞は凄いという話です。現在、日本には約30万人の人工透析患者がいます。人工透析というのは、腎臓の機能が働かなくなってしまった人が体を浄化するためにしなくてはならないことで、一週間に数回、3~4時間かけて人工透析をしなければなりません。それこそ盆も正月も無いわけで、患者もさることながら、家族の人にとっても大変なことであります。また国の医療費としてもとても大きな負担であります。なんでも人工透析には年間約500万円かかるそうで、患者は月2万円の負担であとは国負担、中には45年間透析を受けている人もいるそうで、その人だけで2億円以上の医療費が国から支払われています。

患者は一級の身体障害者なので、当然働けませんし、障害者年金も貰っています。それがIPS細胞で腎臓を造ることで解決する可能性があるのです。たったひとつのパーツを造るだけで、もの凄いことになります。それこそ心臓や肝臓、肺などもと考えると、医療に関する可能性は無限大、ノーベル賞のダイナマイトどころの話ではありません。

私が証券会社に入社した1980年頃、株式市場では夢のガンの治療薬が出来たということで、薬品株が暴騰していました。持田製薬は500円が16000円、科研薬は200円が5000円などです。株価上では、ガンは完治してたという評価の株価でしたが、結局今尚ガンの完治薬は出来ていません。それがIPS細胞は実現まであと一歩となったことであります。なんたってマーケットは世界中でありますので、市場規模は無限大であると思います。もはや、兆円ではなく京円のビジネスとなる可能性は高いです。あるコラムによると、ノーベル賞ならぬ山中賞を設立して、医療の発展に寄与した人に金を配る仕組みを作ればいいというのですが、はっきり言って可能です。むしろリーマンショックで基金が乏しくなってきているノーベル賞より凄い賞が作れそうです。まだまだ日本、捨てたものではありません。

柏崎

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