週刊柏﨑 第319回_クッキーと思いやり

紅葉シーズン真っ盛りで、京都では他府県ナンバーの車が目立ってきています。下鴨神社の職員さんが、今年は例のどこまで行っても1,000円ポッキリで、北海道や九州など遠方からのお客さんが増えていると言っていました。確かに大人数でこのサービスを利用すると、電車や飛行機に比べて断然安く上がるのです。その上、高速道路のサービスエリアで車内泊する人も多くなっていて、なんでも「どこそこのサービスエリアはこんなにいい」というお薦め情報を特集したガイド本まで刊行されているそうです。これだと確かに、北海道から京都観光に行って4人家族で食事等を含めても、10万円くらいで済んでしまうかもしれません。
昨日、息子の通う学校に続き娘の学校も学校閉鎖になりました。インフルエンザは滞ることを知りません。幼児以外の方はとにかくインフルエンザになった後のことを考えたほうがいいというのが、私の考えです。皆様、お元気でお過ごしでしょうか?
日本では生姜、アメリカではビタミンCの絡みでオレンジジュースが人気になっていて、品薄状態だそうです。はっきり言ってインフルエンザと風邪とは違いますから、あまり情報には惑わされないでください。
ネット上で「女子大生が通勤電車の中で熱々のおでんを食べていて、周りの人から注意されても無視」という話が流れています。こういう公共マナーの低下という話はわたしたちの周りでもよく聞く話です。確かにQVCさんの出演で東京に出張する際、在来線に乗るとさすがにおでんには遭遇していませんが、パンやおにぎりを食べている人はよく見かけます。念入りに化粧をしている人といい、どちらかというと女性のほうが多い気がします。こういう人はモラルとかいう前に、相手の立場に立ってものを考えることができていないというか、そういう神経が欠如しているとしかいいようがないのです。
よく私は会社で、電話やネットを介して皆様と対応させていただいている社員に「必ず相手の立場になって、自分がこうされたら嬉しく思う応対をしなさい」という話をしています。それは自分がお客様に発する言葉やメールでの文章、それこそ声のトーンや明るさ、文章に込められた思いやりや暖かさであります。
全く知らない人、再び出会わない人に対する「相手を思いやる心や、相手の気持ちを察すること」は私達が社会の中で生きていくうえで常に考えなければならないことですし、そういった気持を無意識で出せなければ、お客様には気持ちを伝えることが出来ないと思います。
昨年に引き続き、今年もある社会福祉法人に寄付させていただきました。足長おじさんなんて気はサラサラないしそんな大層なことではありません。そもそも、手続きをとれば、寄付金分はしっかり税金から控除できますので、別に全然偉そうにすることではないわけです。
この社会福祉法人はクッキーなどの菓子を作っています。多くの身体障害者の方々が、朝から勤労意欲を持って額に汗しています。
補助金頼みの福祉法人とは違って、組織としては完全に自立していて、菓子製造・販売で黒字を出し、そのお金で彼らに給料を出し、納税をし、余った利益でまた新たな人を雇用するという、我々営利企業とは違った、尊い活動をしています。今年からはホームレスの方や生活保護者の雇用も始めたそうです。
この社会福祉法人に対して頭が下がるのは、身障者やホームレスの方々の雇用に対する活動だけではなく、製造する商品に対する心構えが違うからです。油脂には、トランス脂肪酸を一切使っていません。国産の材料を使い、化学添加物は使いません。要は手作りの高級菓子なのですが、値段は驚くほど安価なのです。
なぜそんなにこだわるかというと、施設運営する方々が化学添加物や体に害のあるものを使うと、全く手作りのわけですから、製造している作業者の健康を損ねることを心配しているからです。それは、結果的に商品を召し上がって頂く、お客様の身体を思いやることなのです。本当の意味での「人のことを思いやる」「人の気持ちを察する」ということは、こういうことなのだと思っています。
「自分さえよければいい」とか「自分が楽しければいい」という気持ちは誰でも少しは持っているのだと思います。しかしながら、こういう「自分より他人の幸せ」ということを考えている人たちもいるのです。
クッキーは何か遠い昔、菓子作りが好きだった祖母に作ってもらったのと同じ、暖かく懐かしい味がします。形もパッケージも1年前のものよりとても洗練されたものになっていました。
これから、この社会福祉法人を支える意味でも、エーエルジャパンでも取り扱いを始めようと思っています。少しでも販売のお役にたてればと考えています。
世知辛い世の中、こういう人達とお付き合いすると、なんだか嬉しくなってしまいます。
 
 

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