週刊柏﨑 第798回 「本気」であることが私が人を判断する指標です
「天高く馬肥える秋」という諺通り、晴れ渡り、食べ物が美味しい季節になりました。少し前の茹で上がってしまうような暑さが嘘のようですな。それでも毎週のように日本を襲った台風のリスクは、まだ終了とはいかないようです。日本近海で今年最大と言われている台風23号が発生しています。進路上、幸いにも日本に直接大きな影響を及ぼすことは無いと思いますが、海水温度がまだまだ高いので、今後も台風が発生する可能性は高く、台風の進路次第では、対策をしなくてはならない状況は続いています。
北海道では初雪が降ったようですが、それでも例年より2週間程遅いようで、世界的な地球温暖化の影響は確実に表れています。今の処の長期予報では案の定、今年は暖冬のようです。まあ、それでも冬は冬であって寒くなることは当たり前ですから、季節の変わり目、お風邪でもめさないよう充分気を付けて下さいませ。
皆さん、お変わりなくお過ごしでしょうか。
消費税増税による景気後退を避けるために導入された軽減税率が大変な混乱を巻き起こしているようです。大体、私のようなおじいちゃんはペイペイだとか何とかペイとかやり方が全く分かりません。ネットニュースで見たのですが、豊洲の青果市場で「刺身のツマに乗せるタンポポ」の税率が8%か10%で揉めていて、税務署の見解としては「タンポポを食べる人はいないので10%」としたところ、タンポポの最大産地である愛知県が8にしろと反発しているようです。また先日、嫁とミスタードーナツに行ってドーナツとコーヒーを買って店内で食べたら、税金が10%。持ち帰りは8%と、金額は少額でも、こんな全国チェーンの全店でこんな仕分けをしていたら堪りませんね。こんな複雑で訳の分からない軽減税率をしなければならないということは、政府としても消費税増税すれば日本がヤバくなると認識している訳で、当たり前の話で「止めれば」と多分財務省以外の人は誰もが思っているのでしょう。10月に消費税が上がって約1か月、主要50社が売り上げ減少と答えています。まあ、世界的に経済状態は良くないのですが、日本はずっと良くないので、辛いですね。それでも不思議なことに日本も含めて世界的に株式市況は好調です。アメリカはダウが史上最高値を更新しているし、日本も日経ダウは今年の最高値を越してきました。実体経済が良くない中、株式が上がることは有難いことです。当然、年金の運用も良くなるし、個人の懐も株高で潤います。米中貿易戦争で世界経済は不透明ですし、日本の大企業の業績は下方修正が相次いでいて、はっきり言って悪いです。こういう不況下の株高は金融相場といいまして、こういう八方ふさがりの状況の時に起きることです。日本には国力が下がってきても、昔からの運用資金が沢山あります。何せ、日本はマイナス金利で、国債を買って満期まで持つと元本が減ってしまうような状態です。ですから、運用資金を上手に運用して益を出すことは非常に難しい、しかしながら何とかしなければならないのです。こんな時、株式相場が世界的に堅調で、日本にも株高の動きがあることで、いっきに大量の運用資金が株式市場に流入したのです。そうなると一つ一つの株式の業績など関係無くなります。日経ダウ採用の銘柄は無条件に買われます。そうなると上がるから買う、買うから上がるという好環境が生まれ、行くとこまで行くと言う流れになります。またぞろ、ゆうちょ銀行が多くのお年寄り相手にリスクを告げないで株式投資信託を販売している話が出ていますが、今の株高で利益を出して売却することをお薦めします。
全国各地でデパート(百貨店)の閉店、撤退が止まりません。京都でも四条河原町という一番の繁華街にあるマルイの撤退が決まりました。また京都のお隣の滋賀でも西武百貨店の発祥地といわれている大津西武の閉店が決まりました。デパートの場合、まだ大手流通グループや大手私鉄グループ傘下のデパートは何とかなっていますが地場独立系の業績は目を覆う程で、35社中、なんと約半数の17社が赤字であります。京都では高島屋と大丸が四条河原町〜四条烏丸という街中の地区に、そして伊勢丹が京都駅に隣接してありまして、まあ国内外の旅行者や地元民でそれなりに賑わっています。それでも明らかに全体的に買い物客は減っているような気がしますし、実際ポイントアップディでなければ日祭日も食料品売り場以外は人が少ないですな。日本ってなんでこんな国になってしまったのかという事です。去年は仕事で台北に、今年9月に所用で香港に行ったのですが、明らかに国というか人の勢いが違うのです。様々な物の値段は確実に日本より高いですね。(高速道路代とかタクシー、電車賃などの移動コストは日本が圧倒的に高いですけど)私は、1989年から1993年迄香港に駐在して、出張ベースで月に数回台湾を訪れていました。当時は両国とも活気はあったものの、国力や経済力、国民性でも日本が遥かに香港、台湾を凌いでいました。何しろ日本人として誇りが有りましたし、こんな自堕落な私でも国を背負って仕事をしているという自負があったものです。日本から遠く離れた異国に於いて、強いアイデンティティーを持つことは、ジャパニーズビジネスマンにとって必須であったのです。香港は現在中国による統治の歪が出ていて、民主化を求める市民運動が高まっています。また台湾も同様、中国からの干渉を強く受けている訳です。今の香港、台湾の国民は少なくとも日本より遥かに強いアイデンティティーを有しています。基本的にどうしていいかなんて、私のような年寄は分かりません。でも絶対に必要なものは、日本をどうにかしたいという本気度であり一生懸命さです。あの香港のデモに参加している市民の本気感が他の市民や他国民の心に響くのです。
あくまで個人的な考えでありますが、山本太郎氏を支持しています。現在、浪人中の山本氏は全国各地を遊説して回っています。そこで多くの市民からの質問を受け、涙を流しながら自分の考えを言葉として発信しています。何故、山本氏を支持するのか?答えは簡単です、涙を流すほど「本気」であり「一生懸命」だからです。あと彼は弱者の側に立つ人だからです。世界中、どこを見渡してみても、殆どの国の政治は強者の為のものです。だって政治家も企業家も官僚も国を動かす人たちは強者サイドに位置します。弱者に重きを置いても、票にも金にも権力にも何にも結びつきません。山本氏が政権を取っても、日本に活力が戻るかなんて分かりません。だけど、何か良くなりそうな感じがします。だって「本気」だから、それだけですな。まあ。消費税の減税と言う公約はマジに応援したいですけど。