週刊柏﨑 第490回_悩める問題

毎回、仕事だ、息子のアパート探しだ、と目的は違うのですが、ここのところ、ほぼ毎週東京に行っています。
関東では、既に桜が満開で、当然ながら気温も高く、春めいた気候であるのですが、京都はいっこうに暖かくなってきません。昨日の朝も、車のフロントガラスは凍っていましたし、霜もおりています。なにしろ、北海道や東北ではいまだ大雪が降っているようでありますので、季節感が全くありませんな。

皆さん、お変わりなくお過ごしでしょうか。
先週末、証券会社国際部時代の同窓会があり、出席しました。なんせほとんどのメンツが約20年ぶりの再会でありますので、その老化具合というか変貌に驚くばかりです。何人かの後輩に「柏崎さんがおじいさんになってる」と言われてしまいました。まあ、自分では髪が少し白くなったかな、と思うぐらいで、そう言われると結構ショックなのですが、周りの同年代の人を冷静に見る限り、しょうがない事だと気づく訳であります。
私が勤務していた証券会社は何回かの合併で旧社名が無くなってしまいましたが、リタイヤした人達を除く現役世代はほとんどが今も金融界に身を置いています。
健康食品の通販会社をやっている私は、この中で完全に異質の人間でありまして、そんなことも私らしいと、元上司からは変なお褒めの言葉を頂きました。
その後、株式ディーリングの部長になっていた同期と二次会に繰り出しましたが、「お互い、気持ちは永遠に青年のままだ。」とおだを上げ、店にとっては迷惑なじいさんであったに違いありません。60人近くが参加したこの同窓会、昔話は東京の桜同様、満開であり楽しい時間を過ごすことが出来ました。

今週末から息子の引っ越し(車で荷物輸送)、その次の週末からはQVCさんのバースデイイベントとスーパークロワールアイネオのTSVと暫く東京出張は続きますけれど、気持ちは昔のまま青年でありますので、全然大丈夫でありますよ。

今回は書くテーマが絞れませんので、短いお話を何点か。
先ずはTPPのことでありますが、お米を自由化しても全世界の供給量を考えると、日本に廻る量が限られるという事と、口の肥えた日本人は外国米は食べないから大丈夫という楽観論があります。
以前大手商社の友人と飲んだ時に聞いた話でありますが、コメの自由化というのは普通の外国米が安価で入ってくるでは無く、外国で日本商社の指導の元、生産、管理されたコシヒカリなどのブランド米が日本の10分の1の価格で入ってくることで、日本のコメ農家は壊滅するということだと言うのです。実際、彼の話ではタイや台湾でコシヒカリを実験的に作付しているとのことでした。それにタイでは3毛作が普通で労働コストからみると原価は日本の100分の1とまで言っていたのが印象的でありました。要するに日本のコメは日本人によって壊滅させられるというお話であります。
基本、TPPというのは消費者側からみると商品やサービスの値段は絶対的に下がりますから、悪い話ではないのですが、その代わり、商品の安全性や情報、そして日本独自の文化、産業などが失われると考えておけばいいと思います。どちらにしても、難しい問題でありますが、既得権者に金を握らせて黙らせてきた、悪しき歴史は繰り返さないで欲しいですな。

次に、福島第一原発の停電の話であります。これは原因不明の停電によって福島原発の1号、3号、4号機の核燃料冷却プールの機能が全く機能しなくなったという事件でありますが、「ああそうですか。」では終わらないとんでもない話であります。これら1、3,4号機には使用済みの核燃料棒が約2100本プールの中で冷やされているのですが、停電によってこの燃料棒を冷やせなくなると、それは核の放射能によって東日本が機能停止になる位の大変なことになるのです。
結果的には数日後になんとか復旧したのですが、原因はねずみにかじられたとかいう話がありますが、いまだ不明であります。今の状況下、ネズミなど様々なことが起きてしまうのはしかたないことです。しかしながら、停電した場合のバックアップ機能はなにがあっても確保しなければなりません。始めの原発事故は津波によって電源が失われたことから起きたことを忘れてはなりませんよ。素人が外野で何をほざいているのかと、言われても、これだけはしっかり頼みます。

最後に今週、一番驚いてしまったのが、司法による、去年の衆院選挙の憲法違反による無効判決であります。これは、去年の衆院選で選挙区ごとの一票の格差が最大で2.4倍あるというもので、結構多くの選挙区では司法的には今の国会議員は議員とはみなしていない訳です。
一票の格差は相当前から違憲という判決がでていたものの、国会議員が高をくくっていたというのが実情で、司法からみれば堪忍袋の緒が切れたという感じでしょうか。但しこの判決によって来年までに選挙をやり直さなくていけませんな。
違憲状態で選挙したのですから、去年の衆院選にかかった費用は、判決を、しかとした政党や議員、官僚にありますので、損害賠償責任は当然問われるべきです。このままいくと、この夏の参院はダブル選挙になる確率が高くなるでしょう。選挙の前は、あれだけ議員の定数削減を約束した政権政党もなんとか0増5減というお茶を濁す程度で逃げ切ろうとしています。50も100も議員数を減らすなんて身を切るなんて絶対出来そうもないです。なんでも自分に厳しい事はしたくないものですから。でも、安倍さんは確か定数削減を野田さんと約束したと思うのですが、まぼろしだったのでしょうか。

柏崎

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