週刊柏﨑 第504回_国民の想い

先週に梅雨という期間が無くなっていると、このコラムに書いたとたん今週に入り京都は梅雨らしいジメジメしたうっとうしい陽気が続いています。ただし九州や中国地方では例のゲリラ豪雨が頻繁に降っていて各地で大きな被害を出しています。
今は、京都の街中にで出ますと祇園祭の準備がかなり進んでいて、それなりの風情を醸し出しています。毎朝犬の散歩で立ち寄る公園に参議院の候補者のポスターが張られ、余り興味はありませんが参院選挙に突入です。
この時期に各政党が約束する公約は全くあてになりませんので、候補者の演説を聞く気になりませんが、私は一貫して脱原発、消費税増税反対、TPPに不参加でありますので、この政策に昔からブレが無い政党に一票を投じようと考えております。
政治というものはそもそも弱者の為にあるものであると思います。大企業や大金持ちは別に誰の助けを借りずともやっていくことは出来る訳です。ですから政治は自分達の力でやっていけなかったり、ギリギリで余裕がないような国民、企業をサポートすることが一番に求められます。それが今の政治は、大企業や金持ちの為にあると言っても過言ではありません。
原発の再稼働や為替の円安政策、消費税を上げて法人税減税など、よく国民が怒らないか不思議です。あの暴動騒ぎになっているトルコやブラジルは地下鉄や公共料金などの値上がきっかけなんですよ。独裁国家というのは国民に自由がなく制約が多いというのは当たり前ですが、裏を返せば、それは独裁している側が国民をとても恐れているということで、もし統制を緩めれば国家はすぐに破綻してしまうのです。
それに対して日本は、何をしても国民がもう諦めているのか、何もアクションを起こさない、しいていえば、規則正しくデモをするか、選挙を棄権することぐらい、政治家としてこんな楽な国はありません。衆院選、都議会選と自民、公明が圧勝しましたが、別に前の選挙に比べて支持票が増えたのではなく、むしろ微減であるのです。要は棄権者が増えて、投票率が下がることによって強い組織票を持つ政党が勝つ、全く暗澹たる気持ちになります。
現在、国民の一票の価値の問題で0増5減とか言っていますが、むしろこういう低投票率で選ばれた国会議員が大事な政策を決めるといことのほうが問題です。何せ、堅い基礎票を持っていれば、国民の支持を広げるより、国民を政治に失望させて選挙を棄権させればいいのですから。
以前自民の偉い政治家が、選挙の際「国民は黙って家で寝ててくれればいい。」と語ったことがありましたが、まあ、全く変わっていませんな。
実際、各地方の首長選挙ではどこも無所属の「与党候補」対「野党候補」ということになっていますが、こうなると野党の支援を受けた候補が強いと言う今の国会の勢力からは考えられない結果がでています。あの、人気絶頂の小泉進次郎氏が応援していた地元の横須賀市長選でさえ与党候補は敗れたのです。

皆さん、お元気でお過ごしでしょうか。
選挙は棄権することなく行きましょうね。民主主義国家でありますので、多数決で政治が成り立つのは分かりますが、30%とか40%の投票率で選ばれた議員によって私達の大切な生活に関する政策を決められるのは問題でしょう。
さて、現在の原子力発電には普通のウランを燃やす方法とプルサーマルという発電方法の2通りがあります。私達にはこの2通りの発電方法の意味を基本よく理解していません。プルサーマル発電といのは、いったいどのようなものなのでしょうか。プルサーマルのプルというのはプルトニウムのことです。サーマルというのは熱、要はプルトニウムを燃やして発電させる方法であります。「プルトニウム」名前は聞いたことがありますが、どのような物質であるのでしょう。
普通の原発でウランを燃やしますと、今処理で問題になっている使用済みの核燃料棒が出ます。この核燃料棒の再処理利用でこの棒の中から取り出すのがプルトニウムです。このプルトニウムというのは原爆の元になる物質であり、自然界には無く、しかも危険度が非常に高いものです。
日本では使用済み核燃料棒からプルトニウムを取り出してMOX燃料をつくることが出来ませんから、今はフランスに依頼して多額の費用をかけて核兵器を造る以外は処理方法に困るプルトニウム=MOX燃料を造っているのです。このMOX燃料は1本当たり約9億円と言われています。現在このプルトニウムが日本には45トンあり、これは長崎型原爆4000個分と言われていて、世界からは非核武装で戦争放棄を謳う国が「おかしいでしょ」という目で見られています。ですからこの増えるばかりのプルトニウムをなんとか平和利用しているとアピールしなければならない日本はプルトニウムを安全に利用した発電所を建設したのです。
これが例の高速増殖炉「もんじゅ」であります。ところがこの「もんじゅ」長年に渡り、莫大な費用を投じたものの、危険すぎて全く稼働することが出来ません。そこで、「じゃあ、普通の原発でこのプルトニウム=MOX燃料を燃やして発電させちゃえ」という安易な考えでやったのがプルサーマルであるのですよ。ウランでさえあんなに危険である原発でそれよりもはるかに危ないプルトニウムを燃やすのですから、そりゃ物凄く危険であると考えなくてはなりません。だって普通の原発は少なくともプルトニウムを燃やすようには設計されていませんしね。しかも、プルサーマルで発電した後には当然使用済みのプルトニウム核燃料棒が残るのですが、現在の科学ではこれを再処理することは出来ません。
要は一見理にかなっているように見える核燃料のリサイクルでありますが、高額な費用かけても全くめどがたっていないのです。プルトニウムを持つという事は核兵器を持つことと同じと述べましたが、プルサーマルというのはそれを否定するだけの為に行っている本当に非効率で危険なことであるのです。

柏崎

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