週刊柏崎 第877回 本物のガンから生還すること(健康食品の社長の闘病記)第2話 

6月に入りました。週明けから続いた晴天のお天気も週末にかけて西から崩れそうです。今週の水曜日、京都では多分今年一番の暑さで、30℃を越す真夏日を記録しました。京都は例年よりかなり早く梅雨入りとなった訳で、今年の梅雨は長引く見通しです。天候的には梅雨でも気温に関しては夏という、まあ過ごしにくい6〜7月ということになりそうです。
梅雨入りしてから、マンションの入口の植え込みの紫陽花の花はドンドン大きく色鮮やかになっていて、本当に植物の生命の力強さには驚くばかりです。
全国でワクチン接種が進んでいるようです。私の周りでもかなりの人が1回目のワクチンを済ましています。私も人様の迷惑にならないようにワクチンを接種しようと思っています。多くの人が気にしているワクチンの副反応ですが、基本私はその手のリスクに物凄く強い方で有りまして、余り心配はしておりません。かかりつけの医者が言うには、私は代謝が人一倍良くて、悪い物を外に出す力が強いそうです。(汗を直ぐにかくのはその表れだそうです)

皆さん、お変わりなくお過ごしでしょうか。

先週の続きで、舌の右側部に出来た口内炎を取るために京大病院に行ったところからです。午前中から始まった簡易手術は部分麻酔であっという間に終わりました。家に帰って、麻酔が解けると激しい痛みがありまして、物を食べることも出来ませんでした。それでもその時点では自分がガンであるなんて1ミリも思っていませんでした。数日後に、京大病院の耳鼻咽喉科に行きまして、担当の先生の診察を受けたのですが、先生から「手術で切除した部位の生体検査したところ、ガンでした」と言われた後のことは、不覚にも良く覚えていません。後で、舌ガンとしてはかなり初期の発見で、大きさも5ミリ以下でⅠ期Aであると知ったのです。直ぐに入院して、転移がないか検査をしましたが、その頃はもう安心して、病院でタバコは吸うは、酒は飲むはで完全に罰当たりな生活を送っていました。それから暫くしてからです、手術の日取りも決まり、病院内の医師や看護師の詰め所の前を通りかかると中ではCT画像を数人の若手医師が見ていました。医師たちは画像のある部分を指さし、「これは、もう手遅れですね」と深刻な会話をしていました。私は私で「気の毒な人もいるもんだ、」と詰め所に用があるふりをして中に入り、そのCT画像の患者名を見ると、そこにあったのは忘れもしない「柏崎貴之」の名前でありました。これには、超楽観主義者の私も狼狽えて、激しく動揺しましたね。その夜、主治医と面談した妻が病室で泣いていまして、そんなバカなという思いと、もう俺もダメなのかという思いが錯綜して、嫁に何を言っていいか分かりませんでした。その時、不意にオーバーラップしたのが私の母親が泣いている姿です。私が中学生の時に、医師だった父親がガンで亡くなりました。父親が入院中、私が家に帰ると母が居間で泣いていまして、その時、「もしかして父は死ぬのかな」と感じたのです。それでも私が強く思ったのが自分は絶対に今死んではならないという気持ちです。
何しろ、仕事はストレスがかなりありますが、やっと軌道に乗ってきたところで(QVCでは有りません。)、まだまだ頑張らなくてはならない状況です。家庭的にも娘は小学生、息子は保育園とまだまだ父親が必要な時です。
嫁が主治医から告げられた私の病状というのは、CT検査で両頸部のリンパがかなり大きくなっていて、画像から判断すると転移の可能性が有るということで、もしリンパ節が悪性のものであれば、余命はあと2〜3か月ということで、そりゃ、嫁にしたって今ならともかく、その当時はかなり動揺したでしょう。まあ、それじゃどうするかって話ですが、やはり手術して舌の右側を4分の1切除して、同時に両頸部から顎までを切ってそこにあるリンパ節を全て取るというものです。(取ったリンパ節を検査して、もし転移していたらその時に考えましょうというかなりいい加減のもの)数ミリの大きさのガンを切除するのに舌を4分の1取るというのは、患者側からすれば本当にダメージが有ります。ガン治療をする場合、日本では外科手術、放射線治療、抗がん剤治療のどれかを選択することになります。基本的に日本の医療ではガン治療は切除手術をするのが普通です。
胃や腸などと違って、舌や子宮などは再生が難しい部位です。舌を大きく切除すれば喋ることも、食べることも困難になりますし、子宮を切除すれば子供を産むことも困難になるでしょう。ですから、患者側からすれば日頃の生活を続ける為にも患部を温存することを先ず選択肢として考慮して欲しいです。現在は、私が初めてガン治療した頃とは違って放射線治療や抗がん剤や免疫療法など新たな治療法が出来ています。後述しますが、舌部や口腔内や子宮などの表面に出来ガンには小線源という放射線治療が患部を温存できる画期的な治療方法であると思います。また、首から上の頭頸部ガンには、先日使用する薬剤が健康保険として認可された光免疫治療も大いに注目されています。
今朝モーニングショーのそもそも総研で取りあげられたウイールスを使った脳ガンの治療法も番組で見る限りですが、凄い治療法です。私が1980年に株屋になった時に、相場をリードしていたのがガン治療薬を開発していた薬品株でありました。科研薬や持田製薬、小野薬品などの株価が10倍以上に値上がりして、株屋の世界ではガンは既に克服したような状況でした。あれから40年が過ぎていますが、まだまだガンは怖い、死因1位の病気で、少なくとも確実に治すような薬は有りません。
因みに、私の舌ガン手術自体は簡単に終わり、リンパ節も全摘となりました。まあ、痛みには弱い柏崎でありますから、大きなダメージは残りましたが、幸いにもリンパ節にはガン細胞は転移しておらず、あれから20余年元気で生きています。それでも、初めてのガンから2回同じ場所に舌ガンが出来ていまして、悪さをしないガンモドキでは無く、私のガンは間違いなく本物のガンであるそうで、色々な先生から非常に運の良い人と言われています。
私の3回のガン治療で、10年目で再発した2回目の舌ガン治療が本当に苦しいものでした。
以下、次回に続きます。

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