週刊柏崎 第864回 今の株式市場はバブルなのか
3月に入りました。流石に感じが春っぽくなってきましたが、京都は景況感と同様に寒さが身に沁みます。今年の桜の開花予想は3月18日ということで、本来であれば、これからが観光都市京都の超繁忙期になるのですが、コロナの影響次第でどうなるか全く見通しが立っていません。大阪、京都、兵庫の関西3府県は1日に緊急事態宣言が解除されました。今の処ですが昼間はそれなりに人出が有りますが、夜は殆ど先月と変わらないように思えます。まあ、私のようなお爺ちゃんは生活サイクルがコロナで変わってしまいましたな。たまに家族で外食に行きますが、それとてスタートが5時位で直ぐに帰ってきてしまいますし、ましてや飲みに出かけるなど全く行かなくなってしまいました。
皆さん、お変わりなくお過ごしでしょうか。
この3月11日で東日本大震災から10年が過ぎようとしています。懸案の福島原発の廃炉も未だ私達にはどうなっているのか殆ど情報が伝わってきません。先日、東北で震度6クラスの地震が有りましたが、死者は0、被害も少なかった訳です。日本の地震に対する備えは世界有数であると思いますが、やはり津波が地震のリスクとして一番怖いものです。津波に対する対策として防波ブロックや堤防などがありますが、とにかく津波が来る前に避難すること、その為に情報伝達をしっかりする体制を自治体が整えることが必要でしょうね。
菅首相の長男が勤務していた衛星放送の通信会社が総務省の官僚を接待していたことが、文春砲で炸裂して大事になっています。内容をみると明らかに会話を録音していたことが伺われ、総務省内部からのリークではないかと思われます。普通の感覚なら今の忖度を強いられる官僚制度に嫌気をさす人間がいても可笑しく無い訳で、現状はもう限界に来ているのでしょう。まあ、こんなスクープを新聞では無く文春に持ち込むなんて、要は新聞やテレビでは上層部に握りつぶされてしまうという事なんでしょうね。社会の朴卓としての新聞界の現状を物語っていますね。
官僚がどこを見て行政を行っているのか、政治家が何を見て政治を行っているか、いずれにしても私達国民で無い訳です。誰しも自分が一番可愛いとは思いますが、官僚も政治家も血税で生きているのですから彼らは絶対に国民の奉仕者でなければなりません。
今の処、科学的に判断すれば開催不可能に近い東京オリンピック、パラリンピックですが、どうも政府の対応をみると開催を強行するような勢いです。東京都、神奈川、千葉、埼玉県が3月7日迄とした緊急事態宣言を2週間延長したのですけど、それも25日から始まる聖火リレーを意識して、2週間後の21日には多分間違いなく緊急事態宣言は解除となるでしょう。無観客であろうと、選手、関係者以外の外国人の入国を許可しなくても日本がやると言えば開催は出来ます。まあ、外国人選手が来なければ、日本人選手と一部アジアの選手で小規模なアジア大会として開催して、獲得メダル数の新記録間違いなしですな。
日経ダウが波乱です。全世界でコロナによって景気が悪化しているのにも拘わらず、世界の株式は高値を更新しています。
株式市場は経済の鏡のようなもので、企業の業績が良ければ株価が上がるというのが通常の姿です。今は世界各国、金余り状態で実業に投資出来ないから株を買う、買うから上がる、そして上がるから買うという循環で株式市場が上昇する所謂金融相場と言われるものです。上がるシナリオは「今はアカンけど、ワクチンを接種して皆コロナの免疫が出来て、行動の制限が無くなり消費が上がり、景気回復、要はもうすぐきっと良くなるよ」ということです。順調に上昇を続けてきた日経ダウですが、日経ダウは本日先週の高値3万700円から一時2000円程下落しています。
まあ、30年ぶりだかの日経ダウの3万円回復ですが、これを実態にそぐわないバブルと見るかですね。実は多くの日本人は株式投資を行っていません。日本の家計資産に占める株式、投信の比率はたった13%に過ぎません。対してアメリカの場合は45%と日本の3倍半の株式を保有しています。だから日経ダウが3万円になったからって個人の恩恵は薄いというのが実態であると思います。日本の場合みんなお金を現金、預金で持っていて、その額1040兆円になります。アメリカは家計資産の45%が株式や投信ですから個人も当然大量の株式を保有しています。ニューヨーク市場、ナスダック市場の時価総額は4830兆円ですから最高値を更新したアメリカは多くの国民が潤っていて、この株高でアメリカの個人消費は底堅いものになっています。私が株屋時代1989年の納会に最高値38957円を付けたのですが、当時のニューヨークダウは2000ドル台、今は3万ドル台ですからアメリカは30年で時価総額が30倍になっています。それに対し日本は日経ダウが最高値から20%以上下がっていますし、30年間多くの会社が新規に上場しても、時価総額はたった2割しか増えていません。
そう考えると、今の日本の株式市場はバブルかというと、私は全く違うと思っています。1989年の頃、株式市況は今より全然活況だったし、なにしろ参加者は段違いに多かったと思いますね。個人も企業もこぞって株式に投資していたし、短期で何倍にもなる株が沢山ありました。昔の株式相場に現場で触れていた私としては、今は魅力が乏しいですな。ただ、株式投資は株式売買手数料が現在殆ど無いに等しいし、国のやり方次第ではもっと参加者が増え、魅力あるものに出来ると思います。ウォーレン、バフェットやジョージ、ソロスのような投資家が日本でも生まれるような時代が来ることを望みたいです。
よって日本の株価はまだバブルと呼ぶには物足りず、高値はあるではないかと考えております。ということで、出入りの銀行のお兄さんに頼まれて日経ダウの投信の積み立てを始めました。ハイ