週刊柏﨑 第714回_再び森友、加計学園問題について
師走になりました。
後一か月で今年も終わりでありますが、この歳になりますとそれ程感傷的な感覚はありません。
多分、何となく年末を過ごして、何となく新年を迎え、いつもと同じように時は過ぎていきます。
京都はこのところ天気が良くて、祇園などの盛り場から、清水寺、嵐山といった観光地まで混雑が凄いことになっていて歩くこともままならないようです。
相変わらず、冷え込んでいまして今日朝の犬の散歩に出かけたら、今年初めて車が凍っていました。
12月は月の半分位は東京に滞在します。
QVCさんでのオンエアも6日のプレミアムクロワール・アイネオのトゥデイズプラスを始めとして、年末まで立て込んでいまして、気分的に今年は、あっという間に終わることは間違いなさそうです。
皆さん、お変わりなくお過ごしでしょうか。
今現在、毎日朝から国会中継をやっていてたまに視たりしています。
まあ、森友、加計問題でドンドン財務省や安倍首相官邸のウソがばれているのですが、流石選挙で圧勝したからなのか全く認めようとしないで、ぐたぐたになって視ていて腹が立ちます。
そもそも森友と加計学園問題は、どちらも安倍首相と奥さんの明恵夫人が絡んでいるという点は一緒ですが、あとの根っこ部分はかなり様相が違っていると思っています。
森友のケースでは案件としては加計学園に比べてかなりスケールが小さい、あくまで安倍首相というより明恵夫人が主導したもので、あくまで安倍晋三記念小学校の建設予定地取得の際、その土地の所有者である国土交通省とその土地の売買を取り決める財務省に明恵夫人の意向が働き、それに対し流行語にもなった各省庁の忖度が働いた、それが多分真相であると思われます。
明恵夫人は元森永製菓社長の娘さんで、お嬢様ですので夫人の意向には打算というのは無かったのでは。
その良く言えば純粋さ、悪く言えば世間知らずなところを籠池夫妻に付け込まれたのではないでしょうか。
但し、かつて安倍首相が発言した「私と妻がこの件に関与していれば総理大臣どころか国会議員も辞める」というのならその点はアウトであり、関与は確実にあったというのが国民の共通認識です。
安倍首相はこの国会の答弁で「国を相手に助成金詐欺を働くような籠池氏に詐欺にあった」という主旨の弁明をしていますが、関与していなければ騙されることはありえないのですから、自ら墓穴を掘ったようなものでしょう。
また、籠池夫妻は拘留されているもののまだ有罪と確定した訳ではないのですから、いきなり日本の総理大臣が端から犯罪者扱いでありますので、これは言ってはいけません。
森友学園に比べて加計学園問題の闇は深いと思います。
何故ならこの問題は加計学園だけにとどまらず、大学建設を利用した錬金術が存在するような気がするからです。
地方都市に行くとよく聞いたことが無いような新設の大学があって、失礼ながらよくこんな場所で大学経営が成り立つなと不思議な感じがしていました。
いまだにその流れは続いているようで、文科省には今なお大学新設の申請がされています。
大分前になりますが、あの田中真紀子氏が文科大臣の頃、新設大学の許可を田中真紀子氏が拒絶したことがあって、その理由を少子化時代に大学はこんなに必要無いという田中真紀子氏の発言に妙に納得したりしたものです。
しかしながらその時は、世の中全体が田中真紀子氏の言動を「また、わがままが出ただけ」と単純に考えていただけであり、すぐさま新設大学の認可は下ろされました。
ただその後、これらの新設の地方大学の定員が集まらず、外国人留学生を大量に入れて帳尻をあわせているとの報道を聞き、やはりそこまでして大学をわざわざ作ることに疑問を感じていました。
だって大学経営であってもそれはビジネスであって、巨額の投資に見合うリターンが有るとは思えないからです。
そのからくりを今回の加計学園問題に見たような思いをすると同時に、それは連綿と続いてきた大学建設という補助金ひいては国民の財産である国有地や税金をあてにした錬金術でありビジネスであると私は考えています。
現在、国会では獣医学部新設に対して、安倍首相のマブダチかつパトロンである加計理事長が安倍首相の肝いりで国から便宜を受けたことを「加計ありき」であると問題にしています。
確かに、大学を地方に新設する場合、前述したとおり学生を集めることが困難であるので、学生に対して就職上や将来に向けて有利なライセンスを付与するような学部を新設することは非常に有効なことであります。
新設の大学に経済や文学などの学部を作ってもそれで学生を集めるのは困難です。
そこで、今迄規制に守られた分野の学部を作ること考えるのは学生を集める為には当然に考えることです。
ただ、こういう規制に守られてきた業種には当たり前ですが既得権益あり、それを守るためには抵抗してくるのです。
例えば、今雨後の竹の子のように増えてきました「柔道整復師」いわゆる「整骨院」でありますが、小泉構造改革でそれまで日本に数校しかなかった柔道整復師学校を解禁したとたん日本中に柔整師が溢れかえり、今や柔整師で食べていく事は難しくなっているのです。
これは規制改革で門戸を開いた「歯科医師」や「薬剤師」なども同様です。
その点、加計学園というのは良くその辺を知っていて、千葉県の銚子に造った千葉科学大学は「薬学部」と「看護学部」がメーンであり、時流を考慮した大学を新設していると思います。
ですから日本獣医師会がいくら抵抗しようと、新設の大学や既存の大学が生き残っていく為には、獣医学部が将来増えていく事は避けられないのです。
ですから、今回の加計学園問題は確かに競争相手の京都産業大学に比べて、優遇され「加計ありき」だったことは事実でありますが、規制に守られた業種は医学部を除いて無くなっていくという流れには抵抗出来ないと思います。
そうなると加計学園の何が問題であるかということですが、これは大学の敷地をタダで貰い、建設費用の半分を補助金として貰い、海外からの留学生に対し学費から小遣い迄負担して学校を運営するということであります。
しかも以前このコラムで書いたように、大学の敷地の整地から建物の建設まで国が全く精査せず、事業体任せにしている、要は今巷で言われているように建設にかかわる費用を水増ししてお金を一銭も使わず大学を建てているのではないか、そしてその巨額な資金の一部が様々な利権団体に渡っているのではないかという疑惑です。
額が額だけに正直見積書を細工し業者と結託するだけですので簡単に出来ますし。
こういった疑惑は、今迄の様々な新設大学の時もあっただろうし、ほぼ平屋でスレート造りの豊洲の新市場の建設費が虎ノ門ヒルズの建設費より高いという事実、東京オリンピックの新国立競技場や周辺施設の建設費用は本当に妥当であるかということにも及びます。
だから加計問題は、あくまで獣医学部の新設の疑惑で納めなければとんでもないことになるということを、知り合いが言っていました。
まあ、聞いた話でありますし、多分推測の域を出ませんけれど「なるほど」と思えてしまうのです。