週刊柏﨑 第292回_私の仕事歴

暑いんだか寒いんだか良く分らない陽気です。日に日に木々の緑の色が濃くなっていて、なんとなく爽快なのですが、今の日本を取り巻く環境は必ずしもそうとは言えないようです。
皆様お元気でお過ごしでしょうか?
先週末に、民主党の代表選があり、小沢氏に代わって鳩山由紀夫氏が新代表に選出されました。鳩山氏が政策にあげた「友愛」ということには「何のこっちゃ」という気がしましたが、何年か後に行われるであろう消費税の増税について「最後の一滴まで財政の無駄を排除し終えるまでは、増税を決して認めない」という姿勢はまさに私達の感覚であって、私は評価したいと思います。
今の与党が「天下りや、役人や政治家の無駄遣いなどの巨大利権を温存したままの、国民に対する増税の強要」を姿勢とするなら、それは決して認められるものではありません。鳩山氏には、口先だけでなく、絶対に約束を守って欲しいと思います。
さて先日、来年の就職活動をしている学生さんと話す機会があったのですが、今の厳しい雇用状況を反映してなのか、彼らの考えが恐ろしく安定志向というか、保守的になっているのです。要するに「定年まで安定していて収入は高いに越したことはないがほどほどで面白い仕事がしたい」という希望であります。2000年位のITバブルの時の就職は、起業や外資系転職の為のステップという一攫千金タイプが多かったのですが、起業家志望者には、ホリエモンや村上ファンドの凋落、外資系希望者にはリーマンショックやシティやAIGの国有化状態によって、すっかりなりを潜めてしまったようです。
実は、私はバリバリの一鶴一金タイプで、大学を卒業して証券会社に勤めた動機は、10年で1億円を貯めるのは、この業界しかないと考えたからです。今思い起こせば、本当にアホだった訳ですが、出来ると信じきっていたのです。私の入社当時、国債の利率が8.0%もあったし、定期でも5~6%あったので、1億預ければ800万円位になると、それも未来永劫続くものと信じていたのです。(証券会社が金融会社ということも知らなかったです)それが、こりゃ話が違うと感づいたのが、半年ぐらい経ってからで、なにせ、上司が薦める銘柄が本当に当たらないのです。
しかしながら、毎日相場を見ていると、確実に短期間で何倍にも値上がりする銘柄もある訳で、まだまだ希望は捨てなかったのですが、1年位して、それも難しいことが分ります。それは、毎日毎日、株価ばっかりを見ているということです。元々チキンハートの私は、虎の子で買った株が少しでも上がると売ってしまうし、下がると売ってしまう。要するに大きく儲けるには、証券会社のカウンター内に居る間は、多分無理なのです。これに気付いたのが5~6年経ってからです。この頃から、少しづつ私の考え方が変ってきました。ちなみに私の資産状況は1億どころか、マイナスの300万円すなわち5年働いて300万円の借金という悲惨な状態でした。その頃、証券業という仕事に私の性格が合っていたのでしょう、私の営業成績は目を見張るものがありました。その上、私の出身大学の先輩である役員にすごくかわいがってもらって、トントン拍子い出世街道を登り始めたのです。私の進路希望はここで大きく方向転換し、この証券会社で地位も収入も上り詰めよう!即ち、社長を目指そうという、またまたとんでもない目標を持つようになっていったのです。
その頃から日本はまさに、バブル期に突入しようとしていました。私は本社の第一営業部に所属し「私達の為に世界はあるの」という時代が創ったひとときの夢を見ようとしていました。
長くなりそうなので、次号に続きます。

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