週刊柏崎 第865回 東日本大震災から10年経ちました
3月も2週目になりました。朝晩はまだ寒く感じますが、日中陽が上がると汗ばむ位です。桜の蕾もピンクになり、もうすぐ京都は桜の季節になり、通常であれば観光客でごった返す訳です。関西3府県の緊急事態宣言は解除されましたが、全国的にコロナの変異株が見つかっていて新たなリスクになっており、京都だけでは無く、日本の景気回復に影を落とします。ニュース番組では京都の観光名所に旅行客が戻ってきているような報道をしていますが、地元民としては、土日はある程度混み合っているものの、平日は相変わらず閑散状態です。街中は東京や大阪など大都市程若者を中心に凄い人出となっていますが、感染力の強い変異株が流行れば、あっという間に元の木阿弥になりそうで心配しています。そうなれば、いくら日本が、何が有ってもやると意気込んでいる東京オリンピック、パラリンピックも必然的に開催不可能になると思います。残された時間は僅かです。今の日本のコロナ対策は余りに中途半端ですな。
皆さん、お変わりなくお過ごしでしょうか。
コロナの変異ウイルスですが、間違いなく既存ウイルスに取って代わって広がっているようです。現在、PCR検査で陽性になっていることが判明すると、それから変異株であるかという検査をするのですが、国から指示されるのが感染者の5〜10%程度です。今兵庫県、新潟県、埼玉県が感染者の50%の検査をしていまして、当たり前ですがその3県の変異株感染者がぶち抜けて多いのが現状です。まあ、変異株を心配すなら検査数を100%に上げるべきですね。医療従事者の兼ね合いもあるでしょうがね。
ミャンマーの国民による軍事政権に対する抗議デモが収まりません。民衆の命を賭けた抗議は私も含めて甘っちょろい自由主義に慣れ切った日本人には真似が出来ない事です。何しろ軍から銃を向けられているにも関わらず立ち向かっていく、ただただ凄いとしか言いようが有りません。毎日のように何十人という民衆が犠牲になっていますが、命を落としても失いたくない物って何なのか、私には漠然と理解出来るのですが、その為に命を張ることは出来ないです。
大体、国民を守る筈の軍隊が国民を銃で殺していて、対する国民の武器は石って、これを我々外国の人間が傍観者として観ているだけで良いのかという事です。国連とか一刻も早く介入して虐殺を止めないといけません。
何だかんだ言っても、ワクチン接種が始り、緊急事態宣言の効果でコロナの感染も取りあえず減ってはいる訳で、陽気が良くなり、外出もするようになって我々国民のマインドは改善しています。ただ、私的にはチョット気になることが有ります。それがこのところの円安と資源高です。特に、原油価格が数か月で倍近くになっています。原油高が直撃するのは陸運、水産業、農業など様々な業種です。また国民生活に於いてもガソリン価格は勿論、電気やガス料金が値上げされ悪影響を及ぼします。
2月の景況感にそれなりの改善がある中、この円安、資源高は輸入物価が上がり、個人消費を直撃します。現在日本は賃下げも見え、また雇用も心もとなく非常に不安定です。
世界からコロナのリスクが無くなっていけば、世界経済は米中を中心に再び成長路線になっていくと思います。その時、日本は一部米中と上手くやっている企業を除いて、今のままなら取り残される可能性が高く、かなりヤバイと考えています。
空前の大災害となった東日本大震災からこの11日で10年となりました。死者、行方不明者は約2万2千人、また避難者は未だ4万1千人が全都道府県に及び、被災者の生活再建は道半ばです。毎年、この時期になると報道され、この大震災を思い出す方も多いと思いますが、確かに被災者でも無い限り「遠くで昔に起きた大地震」というイメージが有るのではないでしょうか。それでも地震後に沿海部を襲った津波の映像は忘れることが出来ないですし、福島原発が吹き飛んだあの瞬間、日本がどうなってしまうのかという不安感を私は昨日のように覚えています。あれから稼働が止まった全国の原発が再稼働しようとしていますが、10年を経過しても廃炉の道筋がたっていない福島原発の現状を認識しなければならないと思いますね。事実、中国などの諸外国は、東北や北関東からの農作物などの食品を輸入禁止にしています。確かにナーバス過ぎると思いますが、それとて安全であるというエビデンスを提示できないのなら仕方がない事かも知れません。個人的に気になるのが、原発のむき出しなったデブリを冷却した後の汚染水です。現在、「毎日大量に出る汚染水を全てタンクにいれる」という考えられないような前近代的な処理をしていますが、それとて近い将来満杯になるので、その時国は汚染水を海に流すことを考えているようです。現在、海洋汚染は水銀、カドミウムなどの重金属汚染やマイクロプラスチック汚染などで悪化の一途を辿っていますが、これに放射能汚染まで加わったら。将来的に海産物を口にすることが出来ないようになるかも知れません。いくら日本側が、風評被害と言ったところで、国として安全性を担保するエビデンスやギャランティーを出せないなら、海外や国内の一部消費者は納得しないと思いますね。当然、水産事業者にとって汚染水を海に流すことは死活問題につながる訳で、処理を安易に先延ばししてきたつけが出てきたといことです。
まあ、ヤなことを見て見ないふりをし続けるというのは日本の伝統芸みたいなもので、最後はこういう結末が必ず待っているのですな。
最後に、コンビニやスーパーなどが買った物を入れるビニール袋を有料にして久しいのですが、今度は使い捨てのスプーンやフォークが有料になるらしく、まあ間違いなくプリンやヨーグルト、カレーとか売れなくなりますね。個人的には、ビニール袋が有料になって、自宅の小型のゴミ箱にセットする袋が無くなってエラく不便なのですが、ビニール袋を使わなくなったといって町並や海がきれいになっている実感が有りません。今は、使い捨ての不織布マスクとかビニール手袋とかが海洋汚染の主原因になっています。街中でも使ったマスクが良く落ちていますしね。
何回も言いますが、ビニール袋やプラスチック製品の規制をする前に、個人のモラルや倫理観を考えるべきで、ゴミ袋を引き裂くカラスのようにゴミを撒き散らかす輩が減らない限り、どんなことをしようと海洋汚染が収まることはないでしょう。